プリペイド型とポストペイ型の違いは?【店舗向け】電子マネー基礎知識

Apple Payが発表されたのはiPhone6/iPhone6 Plusの発表と同じ2014年のことだと記憶しています。しかし2年前はApple Payが日本でサービスを開始しなかったために、話題になりませんでした。このたび日本でもSuicaがApple Payに 対応するのに際し、にわかに電子マネー業界も賑わいを見せてきたように思います。

そこで今回は「電子マネー基礎知識」と題して、電子マネーを大別するプリペイド型とポストペイ型の違いとそれぞれのメリット・デメリット、さらには今後の展望に至るまでを説明したいと思います。

事前の入金額以内しか使えないプリペイド型

プリペイド型電子マネー

プリペイド(prepaied)型電子マネーとは、読んで字のごとく事前支払い型の電子マネーであり、あらかじめお金をチャージしておくと、その分だけ買い物ができます。基本的には電子マネー発行会社の専用カードに、レジや電子マネーチャージャーで入金してから利用します。

nanacoやSuicaなどはカードに割り振られた個別のIDを入力・照合することで、インターネットの支払いなどでも利用できます。チャージの上限額が2~5万円ほどに設定されていることが多く、上限額以上の決済には使うことができません。

プリペイド型電子マネーのメリット

  • ポイントカードと共通の電子マネーカードであれば、顧客情報の収集もあわせて行える上、顧客がカードを発行する際の心理的ハードルが低くなる
  • 電子マネー利用顧客の囲い込みができる
  • お釣りを渡す手間が無いため、レジ業務の効率が上がる

プリペイド型電子マネーのデメリット

  • 主に小額決済での利用が多いので、業種や規模によっては導入コストに見合わない
  • 返金処理が困難なため、チャージや利用の聞き間違いでトラブルになる可能性がある

後払いでラクラクお買い物!ポストペイ型

ポストペイ型電子マネー

プリペイド式の電子マネーが圧倒的に普及しているので馴染みのない方も多いかもしれませんが、ポストペイ型電子マネーは信用決済の後払い型電子マネーです。プリペイド型と異なり、残高を気にする事なく使うことができるタイプです。

決済の方法はプリペイド型とほとんど同じですが、ポストペイ型は電子マネーとクレジットカードのアカウント(あるいは銀行口座など)と紐付いており、後日そのクレジットカードから自動的に引き落とされます。

基本的には1ヶ月分の決済金額をまとめて振り込んでくれるタイプの決済管理会社が多い印象です。決済金額の振込フローに関してはプリペイド型とさほど変わらないでしょう。顧客側も残額を気にしなくて良いので、サインや暗証番号の入力が必要ない便利なクレジットカード感覚で比較的大きな金額の決済を行うこともあります。

ポストペイ型の電子マネーにはスマートフォンと一体化したタイプ、クレジットカードと一体化したタイプなど形式は様々あります。ちなみにApple Payも基本的にはポストペイ型の電子マネーです。

ポストペイ型電子マネーのメリット

  • 小額決済からある程度大きな金額の決済まで対応できるので、クレジットカードに近い感覚で利用できる
  • 店舗のレジでチャージが必要ないので、プリペイド型より手間がない
  • お釣り不要のため、レジ業務の効率が上がる
  • 電子マネー利用顧客の囲い込みができる

ポストペイ型電子マネーのデメリット

  • 利用者が少ない
  • 店舗独自のハウスカードを発行することが仕組み上難しい
  • 不正利用だった場合に「店舗側の本人確認義務違反」というクレジットカード決済に準拠した責務を負わされ、利用金額の一部が振り込まれない可能性がある
  • 返金処理が困難なため、チャージや利用の聞き間違いでトラブルになる可能性がある

今後の流れ

交通系ICカードが普及し、特に大都市圏では切符を買っている人を目にすることも少なくなりました。Apple PayのSuica導入を機に、ますます活気づく電子マネー業界。今後はもっと簡単にチャージができる仕組みが必要かもしれません。例えばクレジットカードだけでなく、ネットバンキングからのオートチャージに対応させるといった対策が考えられます。

人々は利便性の向上を常に求めています。いち早く潜在ニーズに対応できれば、さらに幅広いユーザーの獲得につながるのではないでしょうか。