フィンテックサービスってどれくらい浸透してるの?

先日、Loftで初めてOrigami Payを使ってみました。これ、スゴいですね~!スマホ片手にレジに並んで、待っている間にアプリを起動。いつでもQRコードが読み取れる状態にしておけば、決済が一瞬で終わってしまいます。財布を鞄から出す手間も、お金を出しておつりをもらう時間もゼロです。あまりに呆気なくて、ホントにびっくりしました。

さて、Apple Payやマネーフォワードなど、テレビCMでもおなじみになってきたフィンテックサービス。お金とテクノロジーを融合させ、人々の暮らしを便利にするこのサービスは古くから存在しているものですが、近年はスマートフォンの普及とともに身近な存在に成長しつつあります。…とはいうものの、実際に利用している人はどのくらいいるものなのでしょうか?

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マクロミルの「Fin Techに関する調査」

世界的にフィンテックへの投資金額が増加している

インターネットリサーチ大手のマクロミルが2016年11月に発表した「Fin Techに関する調査」では、世界的にフィンテックへの投資金額が増加していることが指摘されており、特に2014年と2015年の伸び率は目を見張るものがあります。中国やインド、オーストラリアといった国々が市場をけん引している一方で、日本市場の伸びは相対的にはまだまだ小さいそうです。

調査概要

調査手法:インターネット調査

調査時期:2016年10月31日~11月1日

調査対象:全国20歳以上の男女1万人

マクロミルの調査対象の内訳

※人口構成比で回収

この調査は2015年に続いて2回目の自主調査で、「各種FinTech系サービスはどの程度利用され、どんな人が利用しているのか?」をテーマにアンケートを行っています。提示しているサービスは、Apple PayやLINE Payといった送金・決済サービスのほか、家計管理や投資サポート、クラウドファンディング、生保・損保、暗号通貨・仮想通貨を使ったFXなどと多岐にわたっており、それぞれの認知度や利用度を前年と比較することもできます。

フィンテックサービスの認知度

暗号通貨・仮想通貨の伸びが目立つ

ネット上の金融サービスはネットバンキングが最も知られており、他のサービスはだいたい20~30%を推移しています。2015年と2016年で比較すると、暗号通貨・仮想通貨が特に大きく伸びていますが、「どのようなサービスかまで知っている」と答えた人は8.6%に留まっています。

次いで家計簿アプリやロボアドバイザー(ネット上で資産運用のアドバイスが受けられるサービス)が増加しており、家計簿アプリについてはサービスの内容も知っている人が9.3%でした。総合的に判断すると、暗号通貨・仮想通貨と同じくらいの認知度と考えても良いのではないでしょうか。

ネットバンキングの認知度は高い

ちなみに暗号通貨とは、暗号をセキュリティ対策に用いている仮想通貨の総称で、代表的なものにビットコインがあります。各国の政府が価値を保証する円やドルといった法定通貨と異なり、紙幣や硬貨は存在しません。

また特定の国家や企業はビットコインの発行・流通に関与しておらず、取引の整合性を保証する詳細情報はコンピュータネットワーク上に分散して保存されており、中央管理を必要としない…ということで、筆者のような凡人には理解しがたい仕組みになっているようです…。

送金・決済サービスの中では、どれが一番知られている?

利用経験者はLINE PayよりPaypalの方が多い

日本は10年ほど前におサイフケータイが登場しており、2016年10月からApple Payが利用できるようになったことから、アプリを使った決済・送金サービスについての認知度も高まっているものと思いきや、先程のデータでは前年と横ばいでした。調査期間はApple Payが解禁となった2016年10月25日の直後です。解禁前からネットでは大きな話題になっていたのですが、全世代的にはそれほど関心がなかったのかもしれません。

送金・決済サービスについてもう少し詳しく見てみると、LINE Pay、Apple Pay、paypalの順で知っている人の割合が多い結果となりました。利用したことがあるサービスはpaypalが一番多く、サービスのスタート時期が他の2つに比べてかなり早かった点が有利に働いているものと考えられます。

出典:マクロミル 自主調査レポート・ホワイトペーパー

情報通信総合研究所の「フィンテックサービスの利用動向調査」

もう1つ、2017年4月に情報通信総合研究所が発表した「フィンテックサービスの利用動向調査」でも、フィンテックの利用状況を垣間見ることができるのでご紹介します。

調査概要

  1. 調査対象 :NTTコム リサーチ クローズド調査
  2. 調査方法 :非公開型インターネットアンケート
  3. 調査期間 :2016年11月18日~11月21日
  4. 有効回答者数:1,052人
  5. 標本設計 :地域分類を、政令指定都市(都市部)と政令指定都市以外の市区町村(地方部)に分けた。それらの地域分類に、『平成27年国勢調査 人口等基本集計』の2015年人口を割り付けし、今回のサンプルを抽出。

情報通信総合研究所の調査対象の内訳

フィンテックサービスの状況

この調査では、「フィンテックサービスの利用状況に地域差があるのかどうか」焦点を当てて分析をしています。都市部と地方部に分けて分析した場合、どのような傾向が見えてくるのでしょうか。

フィンテックサービスの認知状況

やはりネットバンキングの認知度が高い

赤い棒グラフは都市部、緑の棒グラフは地方部を示しています。このグラフから、フィンテックサービスの認知状況については、都市部と地方部で大きな差がないことがわかります。特にパソコンでのネットバンキングについてはいずれも90%を超えており、認知度の高さがうかがえます。

フィンテックサービスの利用状況

ネットバンキングのパソコンでの利用が圧倒的に多い

一方の利用状況はというと、ネットバンキングの利用率が都市部・地方部ともに65%を超えています。モバイルによるネットバンキングについては、8割以上の人に認知されているものの、利用は2割程度しかありませんでした。モバイルに先駆けてパソコンが普及したことが、浸透度の差に表れているのかもしれません。

フィンテックサービスの利用意向

今後の利用意向は地方部の方が多い

「フィンテックサービスを利用していない」と回答した人に今後の利用意向を聞いた結果からは、ネットバンキングを利用したいと考えている人は都市部よりも地方部の方が多いことがわかります。都市部に比べると金融機関の数が少なく、銀行に出向くのが難しい地域に住む人にとっては、ネットバンキングが非常に便利であることは、想像に難くありません。

同様にインターネット決済サービスの利用意向も強いようです。これはネット通販の普及が要因の1つにあるのではないかと推測します。その反面「利用したい」と答えた人は全体の3割程度しかなく、フィンテックサービス未利用者の7割以上は今後も利用を考えていない模様です。

未利用者の意向

使用したくない理由の大半はセキュリティ

フィンテックサービスを利用しない理由としては、セキュリティの不安を挙げる人が多く、情報漏えいや詐欺などに不安を抱いている人が多いことがうかがえます。また「個人情報を提供したくない」「手続きが面倒」等の理由も比較的多く、フィンテックサービスの利用促進のためにはこれらの問題を解決することが必要と思われます。

属性別のフィンテックサービス利用状況

同じデータを性別や資産状況などで分類し、フィンテックサービスの利用状況について分析した結果もあります。このデータからはフィンテックサービスを利用する人物像が見えてきます。

性別

利用者は男性割合が多い

フィンテックサービスは男性の利用頻度が高いようです。最新のテクノロジーに対する男性の関心の高さがうかがえます。

年代別

若年層のフィンテック親和度の高さがうかがえる結果に

年代別で見てみると、全般的にフィンテックサービスの利用者が多いのは30代以下のようです。特にモバイルによるネットバンキングやSNSを利用した決済サービス、仮想通貨といった比較的新しいサービスについては、30代以下の利用が目立ちます。

年収別

年収300万円を境にフィンテック利用者の割合が逆転する

年収別でみると、フィンテックを利用している人の割合は、所得が多くなるにつれて未利用者を大きく上回っていくことがわかります。

保有資産別

資産が増えるにつれてフィンテック利用者の割合も増える

保有資産についても同様の傾向が見られ、資産が多くなるにつれてフィンテックサービスを利用している人が増えるようです。パソコンやモバイル端末はそれなりに高額であることや、クレジットカードのような後払い型のサービスについては、支払が滞る不安を払拭できない状況では心理的に利用しにくいのではないかと推測します。

出典:情報通信総合研究所「フィンテックサービスの利用動向調査」

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まとめ

さまざまなフィンテックサービスが登場していますが、現状で一番認知度が高く、利用者が多いのはネットバンキングであることがわかりました。またフィンテックサービスを利用しない理由としてはセキュリティの不安が大きく、個人情報の提供をしたくない人が多いようです。

フィンテックサービスを普及させるためのには、セキュリティの強化が最重要課題であることは明らかです。またそれと同時に、フィンテックサービスの安全性の高さを広く周知し、多くの人に信頼されることも必要なのだと思います。