電子レシートが人々にもたらす未来の生活とは?

こんにちは、ピピッとチョイス編集部です。皆さんはドン・キホーテでお買い物することはありますか?家電や日用品、ブランドバックやおもちゃなど、品ぞろえが豊富で外国人観光客にも人気ですよね。実はこのドン・キホーテ、「majicaカード」を中心に電子マネーや電子レシートといった先進的なサービスをいろいろと展開しているのです。

Majicaカードとは?

majicaカードはデザインいろいろ

ドン・キホーテ ホームページより

ドン・キホーテグループが展開する「majicaカード」は、凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーが共同提供している「サーバ管理型電子マネー」を活用したプリペイド式の電子マネーです。店頭で販売されているカードに、現金をチャージして使います。チャージの際に付与されるポイントは、買い物の際に1ポイント=1円で利用できるほか、1,000円以上の買い物の場合は10円未満がカットされるので現金払いよりもお得です。

店舗独自の電子マネーは期待できるメリットがたくさんあります。例えば、ポイントによる販促施策やチャージ残高による顧客の囲い込み、さらにはレジスピードの向上などです。

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majicaアプリとは?

majicaアプリでクーポンもゲットできます

ドン・キホーテ ホームページより

Majicaカードと連携できる「majicaアプリ」は、お手元のカード情報を登録することで、チャージ残高やクーポン情報を確認できます。でもそれだけではありません。カードを忘れても、アプリのカード画面に表示されるバーコードを提示するだけで、会計もチャージもできる優れモノ!なのです。

さらに昨年夏に追加された電子レシートサービス「m!レシート」で、紙のレシートと同じ内容がアプリで確認でき、情報は5年間保管されるようになりました。万が一、保証書添付用レシートを紛失しても、商品購入時の「m!レシート」を提示すれば、店頭で保証添付用レシートの再発行もしてくれます。

買い物のたびに発行される紙のレシートは、お客様にとって必要なものであるとともに、厄介な存在でもあります。何よりサイズがまちまちで小さな紙を大量に保管するのが大変ですし、いちいち家計簿アプリに入力するのも面倒ですから、自動的にアプリに保存されるだけでも喜ばれますよね。

m!レシートに採用されたログノートの「iReceipt」

ログノートのロゴ

Majicaアプリには、株式会社ログノートの電子レシートシステム「iReceipt」が採用されています。レシートを電子化することで紙レシートを削減でき、店舗にとってはコスト削減にもつながりますが、「iReceipt」にできることはそれだけではありません。

Eコマース(ネットショップ)と同じように、顧客の属性だけでなく”購買活動”がリアルタイムにデータ化されて、クラウド上で管理できるので、顧客一人ひとりの購買状況に合わせたクーポン発行や、行動トラッキングにも活用できます。またAppleのiBeaconを利用し、注文や支払いを来店前に済ませるような仕組みの構築も可能です。

ビーコンを利用したマーケティング例

ログノート ホームページより

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経済産業省の構想

経済産業省は2017年2月14日に発表した「IoTファーストの実現に向けて」の資料の中で、会計業務について言及しており、電子政府化推進策の1つとして「レシートの電子化を促進するため、標準化やルール整備を行う」ことを挙げています。

またレシートを電子化するにあたっては、プライバシー保護やデータ利活用のさらなる活性化を考慮し、これまで企業が個別に収集していた消費者の購買データを消費者個人に蓄積して、消費者自身が自分のデータを企業に開示するかどうか判断できる仕組み作りが進められています。ちなみに2017年3月には福岡のディスカウントストアで電子レシートを用いた実証実験も行われています。

<参考>
経済産業省:買物レシートの電子化を通じたデータ利活用に関する実験を行います~個人を起点にした購買履歴データの流通環境の整備~
経済産業省【60秒解説】:電子レシートが資産価値を持つ時代へ

電子レシートの規格統一の必要性

まだあまり普及していない電子レシートですが、既にサービスを提供する企業ごとに情報の形式が異なってます。消費者個人に蓄積し、購買データを家計簿アプリなどで一元管理するためには、様式を統一する必要があるため、既に政府主導でフォーマットの標準化が検討されています。

”情報銀行”構想

さらに、個人のあらゆるパーソナル情報を1か所にまとめて保管する「情報銀行」という構想もあります。2013年に東京大学と慶応大学が中心となってインフォメーションバンクコンソーシアムを設立し、産学連携で構築中です。この情報銀行について、2017年1月26日の毎日新聞では、

個人は情報銀行に、活用しても構わない個人情報やデータの範囲、提供していい企業や業種などを設定(預託)。銀行は預託に基づいて企業に情報提供し、企業はポイント特典やサービスを個人に還元する。政府は、情報銀行は企業と個人双方に利益があり、データ流通への個人の関与も強化されると期待している。

ニュースサイトで読む

と解説されています。もしこの情報銀行が実現できれば、企業同士の連携による情報共有が可能になり、「ダイエット中の主婦がスーパーで購入した生鮮食品のデータをもとに、ダイエット情報サイトから夕飯に最適なレシピが届く」といったサービスが受けられるかもしれません。

<参考>
経済産業省【60秒解説】:個人情報は誰のもの?データポータビリティ

海外の事例

海外でも同様の試みは進められており、例えばイギリスでは2011年から「midata」プロジェクトを官民協働で実施しています。消費者は民間企業が持つ自分のデータに自由にアクセスできるようになっていて、必要に応じて第三者企業に提供できる仕組みが作られています。

<参考>
経済産業政策局:データの利活用等に関する制度・ルールについて

まとめ

利便性の追求とともに、いろいろなものが電子化されている現代。その一方で個人情報の取り扱いにはセンシティブな消費者も多く、企業にとっては頭の痛い問題かもしれません。統一フォーマットによる共通電子レシートや、情報銀行といったサービスが消費者と企業双方の問題を解決し、人々の生活をより豊かにするものに発展していくことが期待されます。