【ケース別比較】レンタル・割賦・リースの違い

お店を運営するにあたって、設備投資は必要です。小売業ならおしゃれな陳列棚、飲食店なら大きな冷蔵庫やテーブル、できれば立派なエアコンも付けたいし、機能性の高いレジも欲しいですよね。

しかし、必要なものを全て購入するためには、まとまった資金が必要です。準備資金のうち運営にかかる費用は手元に残しておかなければなりませんし、できることなら少ない出費で良いものを使いたい・・・。そこで今回は、賢く利用したいレンタルや割賦、リースについてわかりやすくご紹介します。

レンタル・割賦・リースの特徴

経営に役立つレンタル・割賦・リースの基礎

一時的な利用なら「レンタル」がオススメ

レンタルの場合は、レンタル会社の在庫を借ります。契約期間は1日、1週間、1か月など比較的短期間が多く、契約が終了したら返還します。リースや割賦に比べると料金は割高です。また契約更新の場合も料金は変わりませんが、中途解約は可能です。

例えば小売業で大口の注文を受け、商品の運搬のために1日だけワゴン車が必要となった場合など、一時的な利用に適しています。

会社の財産にしたいのなら「割賦」

割賦は物品の購入代金を信販会社やリース会社が立替えて支払い、ユーザーは信販会社等に代金を分割払いする仕組みです。契約期間は比較的長く(1年~6年)、代金を支払っている間の所有権は信販会社にあります(所有権留保)。支払いが終われば所有権はユーザーに移るので、将来的に物品を自己所有したい場合に適しています。

信販会社は金利を上乗せして代金を請求しますが、レンタルに比べれば割安です。なお、中途解約は原則不可となっていますが、残金清算をすれば可能です。

毎月の出費を均等化したければ「リース」

ユーザーが希望する商品をリース会社が代わりに購入し、貸し出すのがリースです。契約期間は比較的長く(2年~7年)、原則として中途解約はできません(残リース料相当額の解約損害金を支払えば可能です)。リース料には保険料やメンテナンス費用を組み込むことができ、毎月の出費を均等化することができます。

所有権はリース会社にあり、契約が満了した場合には返還するか、再リースで使い続けるかを選択します。リース会社は金利を上乗せして毎月のリース料を請求しますが、料金は割賦と同等です。自分好みにカスタマイズした製品を長期的に利用したいと考えており、所有権にこだわりがなければ適していると言えます。

【検証】配達用の車が必要になった場合

小型車で配達しているお店も多いです

試しに、お弁当の製造・販売会社が配達用に車を必要とする場合で考えてみます。自己資金で現金払いをすると運転資金がなくなってしまうため、今回はレンタルなどの方法を検討します。

月に数回しか利用予定がない場合

使用頻度が低ければ、その都度レンタルする方がコストを抑制できるでしょう。車両保険やメンテナンス代はレンタル会社が払うので、手間なく安心して利用できます。ただし、タイミングによって必ず借りたい型式や設備(カーナビなど)が利用できるわけではない点には注意が必要です。

常に利用する予定があり、車を保有したい場合

使用頻度が高く、車を会社の財産としたいのであれば、割賦が良いでしょう。契約期間中の所有権は信販会社にありますが、固定資産税の申告・納付等は自社で行う必要があります。メンテナンス費用なども別途必要になるので、月によって支払の増減が発生する点を踏まえ、しっかりと資金運用計画を立てた方がよいでしょう。

常に利用する予定があり、経費管理を簡素化したい場合

毎月の経費を均等化できるリースが良いでしょう。割賦と同様に好みの仕様の車を利用でき、保険料や固定資産税も含んでいるので実質的には他と比べて安いと言えるのではないでしょうか。メンテナンスや車両保険なども組み込むことができ、6か月点検や12か月点検など、月によって出費がかさむことも防げます。

契約満了後も利用したい場合は、割安な料金で再リースができます。また満了を期に返還して新しい車でリースを組めば、比較的短いサイクルで車を乗り換えることも可能です。ただし原則として中途解約ができない点には注意が必要です。

リースや割賦のメリットとデメリット

メリットとデメリットを知りましょう

メリット

リースやレンタル、割賦は現金購入と違って自己資金は不要です。また金融機関と異なり、信販会社やリース会社は現金の代わりにモノを貸すので、万が一の時に残しておきたい銀行の与信枠を侵すことなく、必要なモノを調達することができます。金利がかかるので支払総額で見ると割高に思いがちですが、自由に使えるキャッシュを手元に残すことができるので、経営上のリスクが軽減できます。

リースの場合は物品を所有しないので、償却事務や諸税金の支払いなどの面倒な事務負担も軽減できます。またリース料は固定なので、金利変動リスクがないのもメリットの1つと言えるでしょう。

デメリット

原則として中途解約ができないため、契約期間中に物品が不要になった場合のリスクは免れません。やむを得ず中途解約する場合、割賦なら残金清算が必要で、リースなら残リース料相当額の解約損害金を支払う必要があります。

割賦の場合、契約が満了すればその後の支払いは発生しませんが、税金やメンテナンス費用などは全て自社で管理する必要があります。またリースは所有権が移転されないため、使用し続ける限りリース料が発生します。たとえば、法定耐用年数以上に使用可能な物品の場合、リースの方が不利になるケースもあります。

まとめ

自己資金を温存しながら高価な物品を調達する場合、一時的な利用であればレンタル、長期的な利用であればリースや割賦が適しています。リースと割賦の大きな違いは所有権の有無で、会社の財産として手元に残したいものかどうかがポイントと言えるでしょう。OA機器などのように、技術革新が急速なものについてはリースを利用し、リース期間が満了したタイミングで新しい機器に切り替えるのも1つの方法です。

一方でリースや割賦は会計上の処理が異なり、経理面においても長所と短所があります。視点を変えれば、必ずしも上記の基準で適切な判断ができるとは言えません。是非、会計に詳しい人の意見も取り入れながら、最適な方法を選択してください。