施行まで1年を切った改正割賦販売法。IC端末への移行はお済みですか?

2016年12月に成立した改正割賦販売法は2018年6月に施行予定です。この法律では、クレジットカード決済を導入している店舗にICカードに対応した端末の設置を義務づけています。現在磁気カードしか使えない端末を設置している店舗は、施行までにIC対応端末を用意しないといけません。

店舗にICカード対応を義務づける理由

わざわざ法改正までして店舗に決済端末のIC化を義務づけた背景には、従来の仕組みにおけるセキュリティの脆弱性があります。主な理由について確認すると、その必要性が見えてきます。

クレジットカード不正使用の現状

クレジットカードの不正使用の被害件数は2013年以降 増加傾向にあり、2015年の被害額は120億円にのぼっています。不正利用の手口にはクレジットカードの紛失・盗難やスキミング、個人情報の流出などがあり、対面取引においては偽造されたクレジットカードによる不正使用が多くなっています。

スキミング被害の多くは情報を簡単に入手できる磁気カードで発生しており、データを暗号化して保存するため偽造が困難とされるICカードのほうが、セキュリティ面で優位性があります。世界的にもクレジットカードをICカードに切り替える動きは加速しており、デンマークをはじめとするヨーロッパでは、ほぼ100%のICカード化率になっています。

ちなみに、日本国内のクレジットカード加盟店で使われた偽造カードの発行国を調べてみると、日本はアメリカに次いで2位となっています。このままだと日本がクレジットカード不正使用の温床になりかねないため、クレジットカードのIC化は喫緊の課題なのです。

ICカードに対応した決済端末の普及率

現在、日本で発行されているクレジットカードは、磁気ストライプ(カード裏面の黒い帯の部分)とICチップの両方を兼ね備えているものが大半です。ICカードに対応した決済端末の普及率は約7割で、磁気カードしか使えない店舗がいまだに多く、磁気ストライプをなくすことができないのが現状です。そのため、クレジットカードを完全にIC化するためには、すべての店舗の決済端末をICカードに対応させなければいけません。

個人情報の流出を防止するための対策も

不正利用の手口のひとつである個人情報の流出についても対策が必要です。クレジット取引セキュリティ対策協議会は2016年2月に発表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」の“クレジットカード情報保護の強化に向けた実行計画”の中で、データセキュリティの国際基準である Payment Card Industry Data Security Standard(PCIDSS)への準拠と対面加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するこ とを表明しています。この流れを受けて、最近登場している決済端末は磁気カードとICカード、さらには電子マネーに対応するマルチ型が主流となっており、PCIDSSに準拠かつ決済端末にはカード情報などが残らない設計になっています。

いずれも不正被害を防止し、安心してカード決済が利用できる環境を構築するために必要な取り組みです。また日本の場合は2020年の東京オリンピックに向けて外国人観光客が急激に増加することが予想されており、世界水準のセキュリティ環境を早急に完成させることが求められているのです。

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どんな決済サービスを選べばいいのか?

日本では現金による支払いが主流ですが、コンビニなどでの少額決済は電子マネー、家具や家電など高額な商品の購入にはクレジットカードなど、シーンによって支払方法を選択している人が多いようです。(電子マネーのまた外国人観光客のうち4分の1を占める中国人は、アリペイ(支宝付)やWeChat Pay(微信支付)などのアプリ決済ユーザーが多く、1人あたりの旅行支出の上位を占める欧米人はクレジットカードを多用する傾向にあります。

一方で、現在登場している決済サービスにはクレジットカード決済だけでなく、電子マネーやアプリ決済にも対応しているものやPOSレジとの連携が可能なものなど、選択の幅も広がりつつあります。導入にあたっては、お店を訪れるお客様の傾向や顧客単価、これからターゲットにしたい層などをきちんと分析し、お店に合ったサービスを賢く選択する必要があります。

店舗で扱う商品の価格や平均客単価が比較的安い場合

以前の記事「電子マネー登場から15年。どれくらい普及した?」での調査によると、1カ月当たりの電子マネーによる支出平均は3,680円、1件あたりの決済金額は平均995円でした。電子マネーは小銭代わりに使われる傾向が強いため、商品の価格が比較的安価な場合はクレジットカードとあわせて電子マネーも導入できる決済サービスが良いと思います。

ピピッとチョイスのおすすめは【楽天ペイ】

「楽天ペイ」はクレジットカードの国際ブランドすべてに対応し、日本で使われている主要な電子マネーを網羅しています。アプリ決済なども可能で、今後若い世代を中心に利用者が増えることが見込まれます。1つの契約でさまざまな支払方法を導入できる点は、メリットが大きいのではないでしょうか。

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平均客単価が比較的高い場合

飲食店でも平均客単価が1,000円程度のカフェと、3,000円のレストランではお客様の決済ニーズは異なります。特にアルコールを提供している飲食店は比較的平均単価が高くなる傾向にあり、電子マネー決済を希望するお客様が少ないと予想されます。

決済方法の選択幅を広げることは、多様化する顧客ニーズに応えることになりますが、一方で店舗スタッフが覚えなければならない作業が増えたり、お客様が決済方法に迷って会計に手間取るなどのデメリットも考えられます。平均客単価が高いのであれば、クレジットカードに特化した決済サービスで十分でしょう。

ピピッとチョイスのおすすめは【Square(スクエア)】

「Square」はタブレットのイヤホンジャックに取りつけたカードリーダーで決済を可能にするサービスです。加盟店審査がスピーディなので申込み翌日からクレジット決済を導入することができます。カード決済の売上は翌営業日に手数料無料で振り込まれるので、他の決済サービスよりも現金に近い感覚でクレジット決済を利用することができます。

カードリーダーは非常にコンパクトで、マルチ決済端末に比べると安価に導入できる点も魅力です。主要な国際ブランドを網羅しているので、欧米からの観光客対策としてもおすすめです。

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POSレジと連携させたい場合

決済システムとPOSレジを連携させると、決済端末に改めて金額を入力する手間が省けたり、ミスの発生を防げるなどの利点があります。もし、現在使用中のPOSレジに決済サービスを付加できるようであれば、レジ周辺機器を総入れ替えするよりコストが抑えられます。まずは使用中のPOSレジを活用する方向で検討すると良いでしょう。

ピピッとチョイスのおすすめは【Coiney(コイニー)】

ここ数年で存在感を強めているモバイルPOSや業種特化型のPOSレジなど、「Coiney」は、連携できるPOSレジの種類が豊富です。もしPOSレジと決済システムをまとめて入れ替える場合でも、iPadなどのタブレットを使用するモバイルPOSなら、従来よりもコストを抑えることができます。中国人に人気のWeChat Pay(微信支付)もあわせて導入可能なので、今後増加が予想されるインバウンド対策にもなります。

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来店客に中国人観光客が多い、または中国人をターゲットに集客したい場合

中国人はアリペイ(支宝付)やWeChat Pay(微信支付)といったQRコードによるアプリ決済を好んで使います。また世界最多の発行枚数を誇る中国の銀聯カードも広く普及しており、日本におけるニーズも強いです。

ピピッとチョイスのおすすめは【Origami Pay(オリガミペイ)】

2016年5月にサービスを開始した「Origami Pay」はアリペイ(支宝付)決済にも対応しています。もともと日本人向けのアプリ決済サービスなので、日本人と中国人の両方をターゲットにできる点で優位性が高いと思います。

「Origami Pay」は全国のLoftやFrancfrancなどで導入が進んでおり、2017年6月にはローソンとの業務提携を発表するなど、国内でも徐々に広まりを見せています。あらかじめスマホアプリに登録したカード情報で決済する仕組みのため、クレジットカード自体を読み取ることはできませんが、日本のアプリ決済の先駆者になるかもしれない「Origami Pay」をいち早く導入することで、他の店舗との差別化を図ることができるのではないでしょうか。

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まとめ

改正割賦販売法の施行まで1年を切りました。施行直前には申込みが殺到し、通常よりも導入に時間がかかることが予想されます。まだIC対応がお済みでなければ、そろそろ本格的に検討を始めみてはいかがでしょうか?