ドラえもんもビックリ!?未来型音声翻訳デバイス「ili(イリー)」

観光庁:2017年1月17日発表のプレスリリース資料より

こんにちは、ピピッとチョイス編集部です。観光庁が発表している統計によると、訪日外国人旅行者は現在も増加傾向にあるようです。旅行消費額の総額はおよそ3兆7,500億円、1人当たりの旅行支出(総額)は155,896円となっており、海外からの旅行者を呼び込むことによる日本経済の活性化が期待されています。

訪日外国人の一番の不満は「言葉が通じない」こと

受入環境について訪日外国人旅行者に行ったアンケート調査結果

観光庁:プレスリリース「受入環境について訪日外国人旅行者にアンケート調査を行いました」より

観光庁が行った調査によると、訪日外国人が旅行中に困ったこととして「無料の公衆無線LAN環境」や「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」、「公共交通の利用」などが挙げられています。しかし最も困ったことは「施設などのスタッフとのコミュニケーションがとれない」ことで、全体の約3割を占めています。

例えば私たち日本人が、全く知識がない状態ではハングル文字が読めないように、海外からの旅行者にとって、ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベットが混在する日本独特の表記は、非常に困惑するものがあると思います。最近は空港や駅の案内表示に英語や韓国語、中国語の掲載が増えているものの、必ず全てが多言語表記になっているわけではありません。

そのため、会話によって問題解決を図ることになりますが、日本人は日常的に外国語に触れる機会が少なく、英語や中国語で話しかけても、なかなか応じたがらない人が多いと思います。日本が観光立国になるためには、外国語に対するアレルギーをどう克服するかが課題かもしれません。

参考:観光庁「受入環境について訪日外国人旅行者にアンケート調査を行いました

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母国語が異なる者同士を仲介する「ili(イリー)」

実体験をもとに開発された現代版「ほんやくコンニャク」

先日、外国語を瞬時に翻訳してくれる翻訳デバイス「ili」が発表されました。これは株式会社ログバーのCEOである吉田卓郎氏が、初めてのアメリカ旅行で「水がほしい」と言えなかった体験をもとに開発されています。

海外旅行での利用が前提となっており、ワンフレーズ会話の翻訳に限定しているところが特徴的です。現在、日本語・英語・中国語の3ヶ国語に対応しています。「自分の言いたいことを相手に伝える」ことをミッションとしているので、相手の発した言葉については翻訳してくれません。また、旅行先でのショッピングやちょっとしたトラブルの際に困らないためのツールなので、現時点ではビジネスや医療現場などでの利用は想定されていません。

以上のことから長い文章の翻訳はできません。しかし、簡単なコミュニケーションが可能になることで、時間とお金をかけて外国語を学ばなくても、気軽に海外旅行を楽しむことができるようになるのです。

考えに考え抜かれたシンプル設計

iliはシンプルでスマートなデザイン

「ili」は手のひらサイズでとってもコンパクト。クイックスタートが可能で「基本的に操作に使うボタンは1つだけ」という、非常にシンプルなデザインです。インターネットなどの通信環境を必要としないので、たとえエベレストの頂上でもジャングルの奥地でも、安心して使うことができます。

本体のボタンを押して、伝えたいことをマイクに向かって話すと、背面のスピーカーから翻訳結果が音声となって相手に届きます。最速0.2秒というレスポンスの速さが、スムーズな会話を実現させています。また、音の伝わり方が自然であり、コミュニケーションが円滑に進められることを最も重視した設計となっています。

ちなみに、当初搭載されていた音量調節ボタンは、音量の操作で手間取るよりも相手に近づけてリピート再生する方が、ずっと円滑なコミュニケーションができるということで排除してしまったそうです。こういった開発秘話からも、徹底的に研究されていることがうかがえます。

法人向けサービス「ili for Guest」がついにスタート!

法人向けili提供開始!

「ili」法人向けサイトより

外国人観光客を受け入れる側にとっても「ili」は役立つツールです。会話する者同士が1台ずつ「ili」を手にして言いたいことを言うだけで、従来よりもずっと深い相互理解が図れます。すでにイオンモールや東京メトロで実証実験が実施されており、2017年6月からは法人向けサービスの開始が予定されています。

訪日外国人を受け入れるホテルや飲食店などで、お客様に「ili」を提供し利用してもらうことで、スタッフの語学力に左右されないコミュニケーションが可能になります。また、お店特有の商品名や施設固有の名称など、独自性の高い単語はオリジナル辞書に追加することでカスタマイズできるので、今まで伝えたくても上手く伝えられなかった情報をお客様に提供できるようになります。

専用の管理ソフトで入出力言語を切り替えられるので、日本語から英語、英語から中国語への翻訳も可能です。訪日外国人の4分の1を占める中国語圏からのお客様については、地域によって発音も異なるので、対応に苦慮することが多かったと思いますが、「ili」があれば円滑なコミュニケーションが可能になります。ログデータを解析すれば使用頻度の高い単語やフレーズを確認することもできるので、お客様のニーズの把握やサービス改善にもつなげられます。

J-WAVEとのコラボも決定!

iliとJ-WAVEのコラボが実現

月曜~木曜の朝6時から関東地方で放送されているラジオ番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター : 別所哲也)では、4月9日から「ili」を番組内で使用し、生活が翻訳テクノロジーによってどのように進化していくのかを体験するというコーナーもスタートしています。(J-waveが聞けない地域の方は、スマホアプリ「Radiko」で視聴可能です。)

また「ili」のオフィシャルサイトやYOU TUBEでも、「ili」の実証実験を行った企業のインタビューや、実際にお客様とのコミュニケーションの様子を閲覧することができます。お客様とスタッフがともに「ili」を介して意思疎通を図る様子は非常に興味深く、一見の価値アリです。

参考:ウェアラブル音声翻訳デバイス「ili(イリー)」が、デバイスとしては日本初のJ-WAVEラジオ番組内にてレギュラー出演が決定!

まとめ

2020年の東京オリンピックに向けて、接客業においては訪日観光客への対応が喫緊の課題です。スタッフの語学教育はもちろん重要ですが、アジアからの旅行者が多い現状においては、英語さえできれば万全と言えないのは明らかです。

音声翻訳デバイス「ili」を導入すれば、言葉にまつわるスタッフの精神的な負担を減らすことにつながり、接客の質の向上に注力することも可能になることでしょう。遠方から来日したお客様に日本の質の高い“おもてなし”を堪能していただくためにも、今後の「ili」の活躍に期待です。

ウェアラブル 音声翻訳デバイス「ili(イリー)」