次々と新機軸を開拓するNIPPON PAYの多様な取り組みとその将来性

韓国や台湾などですでに普及している中国人向けの決済サービス「支付宝(Alipay・アリペイ)」。日本でも使えるお店が続々と増えていますよね。最近では福岡の中心地・天神の新天町商店街でも「支付宝(Alipay)」の導入され、小規模店舗への普及も目立ちます。

中国人に人気のモバイル決済サービスは「支付宝(Alipay)」のほかに、中国版LINEと言われるWeChatが提供する「WeChat Pay」もあり、日本国内での普及がじわじわと進んでいます。

支付宝(Alipay)とWeChat Payが両方使えるNIPPON PAY

支付宝(Alipay)およびWeChat Payはスマホアプリに表示されるQRコードを利用して支払いを可能にするサービスです。仕組みはほとんど変わらないものの、日本で導入するためにはそれぞれに対応したアプリが必要でした。

また、お客様が提示するQRコードは見た目にあまり差がないため、使用したいのが支付宝(Alipay)かWeChat Payかを瞬時に判別するのが難しく、適切なアプリを選択するためにはコミュニケーションが必要になります。ところが言葉が通じないために、本来ならものの数秒で処理できるはずの決済に手間取ってしまうといった問題がありました。

2017年1月に登場したNIPPON PAYは、タブレット端末を利用し、「支付宝(Alipay)」と「WeChat Pay」が1つのアプリで利用できるサービスです。自動判別機能があり、エンドユーザーのQRコードを読み取ると、自動的に「WeChat Pay」と「Alipay」を識別します。ネットショップでも利用することができ、AndroidおよびiOSアプリがあるので、タブレット端末を用意すればすぐに導入ができる手軽さも魅力です。

大手外食チェーン「和民」がNIPPON PAYの試験導入を開始

ワタミは海外でスマートフォンを使用した決済サービスが日常的に利用され、キャッシュレス化が進んでいることを受けて、国内の外食チェーンでは初めて東京都内にある「和民」でNIPPON PAYの試験導入を開始しています。ワタミによると2016年度は15万5,000人の外国人観光客が、ワタミグループの外食店舗を利用しているそうです。

今後ワタミでは個人旅行のお客様に向けたインフラ整備を進めていく方針で、その一環として「NIPPON PAY」の導入が決まりました。以前から外国人観光客が多い「和民」銀座5丁目店を皮切りに、6月中には「和民」浅草雷門店、「和民」新宿東口靖国通り店で順次導入することを発表しています。

≪参考≫
・ワタミ プレスリリース:2017/6/12
ワタミ スマホ決済サービス「NIPPON PAY」国内外食チェーン初導入

メールリンク決済サービスで遠隔請求も可能に

訪日中国人の爆買いは2016年をピークにひと段落し、その関心は「モノ消費(購入)」から「コト消費(体験)」へと移行していると言われています。特に中国人富裕層の間では、医療水準の高い日本で検診や治療を受けようとする医療ツーリズムの人気が高まっているそうです。

NIPPON PAYのプレスリリースによると、「高度な医療サービスを受ける場合、中国人受診者は訪日時に検診およびカウンセリングを行い、一度帰国となる」そうです。「その後、医療機関は施術方針と見積書を作成し、相手先に送付していましたが、受け取った中国人側は人民元の支払いに送金や国外持ち出し制限があるため、スムーズに支払いができず、煩雑な行程を必要として」おり、医療費が回収できないケースも発生しているようです。

NIPPON PAYは2017年6月30日から請求する決済情報とリンクしたURLおよびQRコードを、メールやチャットで簡単に送信できる「メールリンク決済サービス」を開始すると発表しています。これにより病院など電子決済を持たない施設や事業者が、訪日前後の中国人に対し遠隔で簡単に請求する事が可能となり、今まで双方に負担となっていた課題の解決を図ります。

≪参考≫
・NIPPON PAY プレスリリース:2017/5/31
<インバウンド向け決済サービス> 日本初 中国三大決済が利用可能なメールリンク決済 訪日前後の中国人に対し遠隔で簡単に請求が可能 病院など電子決済を持たない施設に向け6月30日(金)サービス開始

POSレジとの連携も開始

現在、日本国内の決済システムは専用の端末機器を用いながらPOSシステムと連動をしています。しかし中国で主要となっている二大スマホ決済システム「WeChatPay」と「Alipay」を集約して対応できるPOSシステムはなく、主要決済システムのどれか1つを選定して対応するか、タブレット端末を活用しながら運用する方法しかありませんでした。

特に飲食業界のPOSシステムについては、決済サービスの多様化が強く求められています。しかし多種多様な決済サービスをPOSシステム内で実現するためには、それぞれの決済システムモジュールをPOSシステム内に搭載する必要があり、膨大な開発コストがかかるという課題がありました。

そこでNIPPON PAYは2017年6月12日から、フードサービスの情報システム事業を行う株式会社アルファクス・フード・システムと業務提携することを発表しています。

アルファクス・フード・システムの外食支援サービスとは

アルファクス・フード・システムは、20年以上にわたり外食産業に特化したシステム開発を行う会社です。業界初の自社データセンターによるASP型「基幹業務サービス」は、サービス提供店舗数7,000店舗以上と、外食産業の基幹業務サービスでは業界NO.1を誇ります。

飲食店向けPOSレジシステム「FOODα5000」を筆頭に、セルフオーダーシステム「テーブルショット」や自動釣銭機など、飲食業に必要な設備をフルサポートしています。また食材ロスをなくすための飲食店経営管理システムを提案しており、導入後は平均5%の原価率を低減に成功するなど、数々の実績を上げています。

≪参考≫
・NIPPON PAY プレスリリース:2017/6/20
<インバウンド向け決済サービス> 国内POSレジ導入外食店舗で中国二大スマホ決済が可能に 訪日中国人向けに利便性を強化

ベンチャー仮想通貨のICO(イニシャル・コイン・オファリング)支援も

NIPPON PAYは2017年6月9日にICO(イニシャル・コイン・オファリング)支援も開始することを発表しています。具体的には、日本全国の加盟店に設置されているNIPPON PAY決済端末上で、提携したベンチャー仮想通貨での決済が行えるようにしていくとのことです。

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは

近年はインターネットを通じて不特定多数の人から事業資金を募るクラウドファンディングや、資本と引き換えに投資会社の出資を受け入れるベンチャーキャピタル(VC)などの新しい資金調達法が登場し注目を集めています。

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)も新しい資金調達方法の1つで、2017年4月、サンフランシスコを拠点とするBlockchain Capitalという会社が利用したことで話題になっています。ICOは起業家が新たな事業の概要を公開し、ブロックチェーンを利用した仮想通貨の発行によって出資を募ります。発行された仮想通貨は、実際にその事業におけるサービスが開始された時にはサービス利用のために使うことができるというものです。

NIPPON PAYの決済端末でICOにより発行された仮想通貨の決済が可能になれば、ベンチャー仮想通貨を保有する投資家たちの利便性向上に寄与することになります。NIPPON PAYは、今後の日本におけるICOの発展に大きな役割を果たしていくのではないでしょうか。

≪参考≫
・NIPPON PAY プレスリリース:2017/6/9
NIPPON PAYは中長期的な視点で、ベンチャー仮想通貨のICO(イニシャルコインオファリング)支援を開始する事を発表しました。
・一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター
シリコンバレー通信 Vol. 22 「IPOからICOへ〜イニシャル・コイン・オファリングが切り拓く資金調達の真の民主化」

まとめ

2つの中国人観光客向け決済サービスを1つのアプリで対応できる画期的なサービスを皮切りに、次々と新しい展開を見せるNIPPON PAY。訪日外国人の利便性の向上だけでなく、日本の医療機関が抱える医療費回収問題の解消や企業の資金調達の支援など幅広い分野に進出しようとしています。その視野の広さや着眼点は目を見張るものがあり、先見の明を持っている企業だと言えると思います。

こういったサービスは、日本の事業者が抱える問題をくまなくリサーチし、どうしたら彼らサポートできるのかという高いホスピタリティがなければできません。これから飛躍を遂げるであろうNIPPON PAYが、人々に広く知れ渡る日も近いのではないでしょうか。

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