世界的に広がる兆し!古くて新しいQRコード決済の今

スマホに表示されるQRコード

ポスターや商品ラベルの隅に表示されているQRコード。日本では、食品成分表示の閲覧やキャンペーンの応募などで、以前から幅広く活用されています。最近はLINEで友達を追加したり、飛行機の搭乗券代わりにできたり、人々の生活に広く浸透していますよね。

かつてコカコーラの自動販売機では、電子マネー「Cmode」を使った支払いにQRコードが用いられていました。しかし交通系電子マネーの普及とともに2011年には姿を消しており、取り入れられ方によっては浮き沈みの激しい技術という印象が個人的にはあります。そんなQRコードを利用した支払方法が、このところ店頭で復活の兆しを見せていることに、皆さんはお気づきでしたでしょうか?

「楽天ペイ」に採用されたQRコード式モバイル決済“QRペイ”

今年10月、「楽天スマートペイ」が「楽天ペイ(実店舗決済)」に名称を変更し、スマートフォン決済アプリの提供をスタートしました。「楽天ペイ」アプリは、楽天会員IDでログインすることで、実店舗での簡単なスマートフォン決済を実現します。

2通りの決済方法

1つ目が“セルフペイ”。アプリの“セルフペイ”タブに表示される一覧の中から支払う店舗を選択し、ユーザーが支払う金額を入力します。次の決済画面でスライドし、表示される画面を店員に見せれば支払完了です。(一部のお店では“セルフペイ”を利用できない場合があります。)

セルフペイは自分で金額を入力して支払いを完了させる

2つ目が“QRペイ”。店舗のスマートフォン・タブレット端末からQRコードを読み取ると、支払い金額が表示されます。金額を確認したら決済画面をスライド。最後に表示された画面を店員に見せて完了です。

QRペイはお店が提示するQRコードを読み取って支払いを完了させる

このアプリを使えば、楽天会員IDに登録されているクレジットカードと楽天スーパーポイントを組み合わせて支払いができます。さらに「楽天ペイ」アプリで支払えば、200円につき1ポイントの楽天スーパーポイントが貯まります。

加盟店にも嬉しいサービス

これを機にクレジットカード決済サービス「楽天スマートペイ」の加盟店は、「楽天ペイ」アプリでの決済も取り扱えるようになりました。導入方法は簡単で、タブレット端末に無料のアプリ「楽天ペイ アプリ決済 店舗用」をダウンロードするだけ。

さらに2017年(予定)には、中国で多く使われている決済サービス「WeChat Pay」への対応を予定しており、中国人旅行客のニーズに対応できる決済環境が整備される見込みです。

楽天ペイ

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そもそもQRコードって何?

QRコードはグッドデザイン賞2012を受賞

グッドデザイン賞ホームページより

QRコードとは1994年、株式会社デンソーの一事業部(現・デンソーウェーブ)が発表した2次元バーコードです。QRコードという名前は、”クイック・レスポンス”に由来し、高速読み取りにこだわり抜いた開発のコンセプトが込められています。

仕様をオープン化して誰もが自由に使えるコードとしたことや、2002年以降、QRコードの読み取り機能を搭載した携帯電話が発売されたことで一般に広まり、現在では名刺や電子チケットなど、世界中で利用されるコードとなりました。2012年には総合的なデザイン推奨の制度であるグッドデザイン賞を受賞。普及の方法や使われ方までの価値が認められています。

ちなみに、マーケティング支援サービスのドゥ・ハウスが2014年に発表した「QRコードに関する調査」によると、日本国内における女性の認知率は9割を超えており、約7割に使用経験があるという結果が出ています。

<参考>
QRコードの歴史(QRコードドットコム|株式会社デンソーウェーブ)
グッドデザイン賞2012
女性の約7割が使用経験あり(株式会社ドゥ・ハウスの調査/2014年)

海外でもQRコード決済が広まっている

Google元幹部が開発したスマート決済端末「Poynt」

コンパクト設計のPoynt

アメリカでもQRコード決済に対応した端末が登場しています。開発したのはGoogle WalletのトップだったOsama Bedier氏がCEOを務めるPoynt。この会社は2014年秋、スマートターミナル「Poynt」を発表しました。「Poynt」は店舗側と顧客側それぞれに画面を持つ「へ」の字型の端末です。レジに必要な機能は一通り兼ね備えており、領収書の印刷もできます。

特筆すべきは支払方法の多様さです。一般的なクレジットカード等に利用されるスワイプ決済だけでなく、EMV(ICチップ)、NFC決済(Apple Payなど)、さらにはギフトカードやQRコード決済など、ありとあらゆる支払方法に対応する機能を有しています。これだけの機能を1台でカバーできてサイズもコンパクトな機器は、今のところ日本には見当たりません。

Poynt

モバイル決済市場で80%以上のシェアを誇る「Alipay」

中国の電子マネーAlipayはスマフォにQRコードを表示して支払う

一方、お隣の中国では、ショッピングサイト「淘宝網(タオバオワン)」などを運営するアリババグループの決済サービス「Alipay(支付宝)」が人気です。2012年12月にはユーザー数が8億人を超え、2012年11月11日には24時間の取扱件数1億580万件という記録を打ち立てています。

Alipay」は、VisaやMasterCardを含む中国国内の170の金融機関と業務提携し、国内外に決済サービスを提供しています。「Alipay」によるオンライン決済では、PIN認証により表示された「Alipay」のQRコードをレジにかざすことで決済を完了します。

アリババ株式会社:日本

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中国版LINEでも決済サービス「WeChat Pay」を提供

アクティブユーザー数が6億人と言われる中国最大のSNS「WeChat」でも「WeChat Pay」という決済サービスを展開しています。ユーザーはWeChat内に自分の銀行口座を登録して、買い物や公共料金の支払い、レストランでの割り勘時など、さまざまな場面で利用しているそうです。

支払方法も簡単で、ユーザーはスマートフォンアプリを起動し、店舗でQRコードを見せます。店員はモバイル端末にダウンロードした決済アプリ「StarPay」を使って、QRコードを読み取るだけ。ほんの数秒で決済が完了します。

日本ではネットスターズ社が代理店として導入をサポートしており、既に500店舗以上で中国人旅行者の買い物手段として利用されています。

netstars

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日本のQRコード決済は「楽天ペイ」だけじゃない

QRコード読取型クレジット決済システム「決済るるる」

決済るるるはスマホだけでなく明細にQRコードを表示してもOKスマホにカードリーダーをつければスワイプ決済も可能

いつでもどこでも決済ができるクレジット決済システム「決済るるる」は、会社のスマートフォンとお客様のスマートフォンがあれば、どこでもクレジット決済ができる優れモノです。使い方は簡単で、まず会社のスマートフォンに必要項目を入力し、決済用QRコードを作成します。そのQRコードをお客様がスマートフォンで読取り、クレジット決済を行います。

また、請求書に支払い用のQRコードを印字し、お客様がスマートフォンでQRコードを読み取ることでクレジット決済をすることもできます。どちらもスキミングの心配がなく、お客様もカード番号を伝える必要がないので安心です。

専用のリーダーを使えば従来通りのクレジット決済ができるので、お客様がスマートフォンユーザーでなくても大丈夫。決済情報をアプリに入力し、クレジットカードをリーダーに通せばその場で回収・集金ができます。

決済るるる

Alipayに対応している「モバイル決済 for Airレジ」

モバイル決済 For Airレジの画面表示

リクルートグループが提供するiPadレジ利用店舗数No.1のAirレジ。このAirレジに連携できる「モバイル決済 for Airレジ」は「Alipay」をお店にカンタンに導入できるサービスとして注目を集めています。

導入費用や月額利用料は不要で、決済手数料のみで利用できるのが魅力です。中国からのインバウンド需要に対応するため、家電量販店ビックカメラなどでも採用されています。現在は「LINE Pay」の決済にも対応し、今後も国内外の様々な決済への対応を検討しているとのことです。

モバイル決済 for Airレジ

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様々な支払方法が選べる「KEY GATE」

KEY GATEのホームページ

KEY GATEは手持ちのPCもしくは携帯電話で簡単に請求・決済ができる決済システムです。メールアドレスが分かれば簡単に請求することができ、決済専用の端末を用意する必要がありません。また月次や年次の継続決済にも対応しています。

さらにQRコードをチラシや宅配などの配達伝票に印字して利用することも可能です。ほかにも、販売員が自分の携帯電話を決済端末として利用できる担当者機能があり、外出先でも支払を完了できます。

KEY GATEはマルチペイメントに対応し、クレジットカード決済、コンビニ決済、ペイジー決済、電子マネー決済を利用できます。ファイルダウンロード機能でデジタルコンテンツ販売も可能です。

KEY GATE

まとめ

Apple Payの登場によって世界的にモバイル決済が熱気を帯びてきている今、観光立国を推進する国の意向も相まって、改めてQRコード決済の有用性に注目が集まりつつあります。店舗にとっても、QRコード決済がもたらすメリットは大きいと言えるでしょう。

なぜならQRコード決済はiPadなどのモバイル端末ひとつで導入できるものが多い上に、顧客の国籍や所有するスマートフォンの種類に関係なく、対応することができるからです。クレジットカードや電子マネーなど、様々な顧客の要望に応えるためには、それぞれに対応した端末をいくつも設置しなければならなかった今までに比べると、負担は格段に軽減されます。

決済にQRコードを活用するという試みは、今までに何度も登場しては消えていきました。しかしそれは技術やシステムの問題よりも、時代を先取りしすぎてしまう日本の世相によるところが大きかったと思います。

スマートフォンはこの10年で劇的に性能が良くなっています。カメラの性能や画面の解像度も申し分ないスマートフォンが、世界中に普及して十分なインフラが整った現在、どちらかというとNFC(非接触決済)の方が取り沙汰されています。しかし専用端末を必要とせず、広い画面とインターネット環境があれば導入できるQRコード決済の手軽さは、いずれグローバルスタンダードとしての地位を築くのではないでしょうか。