インバウンドで売上UP!免税販売の始め方&便利な免税システム4選

海外旅行の楽しみの1つと言えばお買い物ですよね。免税店なら非課税で購入できるので、同じ商品でも安く買えると人気です。日本でも多くの大型電器店や百貨店、ドラッグストアなどで免税販売をしています。

さて、数年前に比べるとずいぶん身近になった免税店。海外からの旅行客が増えているのであれば、ご自分の店舗でも免税販売を始めたいとは思いませんか?今回は免税店になる方法と、便利な免税手続きシステムについてご紹介します。

免税店とは

そもそも免税店とはどんなものなのでしょうか?観光庁のホームページでは、免税店について以下のように説明しています。

免税店とは外国人旅行者等の非居住者に対して特定の物品を一定の方法で販売する場合に、消費税を免除して販売できる店舗のことです。ここでいう「免税店」とは、消費税法第8条に定める「輸出物品販売場」のことです。

 

<出典>観光庁:消費税免税店サイト「免税店とは」

免除されるのは消費税です。消費税は日本国内で消費されるモノやサービスに課税されます。そのため、外国人観光客が自国に持ち帰って消費するモノについては課金の対象にならないというのが免税の考え方です。購入した商品は日本滞在中に消費せず、購入日から30日以内に輸出することが免税販売の条件になっています。

免税販売のためには、納税地を所轄する税務署長の許可を受けていることが条件になります。免税店には店舗を運営する事業者自身が免税手続きを行う「一般型消費税免税店」と、テナントビルや商店街などの特定商業施設内にある店舗が、免税手続きカウンターを運営する事業者(承認免税手続事業者)に手続きを代理で行ってもらう「手続委託型消費税免税店」の2種類があります。

販売する相手は日本に居住していない人(非居住者)で、商品は家電や衣類、食品といった普段の生活に使うための物品です。同じ店舗で1日に購入した金額が5,000円以上になる場合、免税販売が可能になります。なお、免税販売をする場合には所定の免税手続きが必要です。

免税店になるには

免税販売を行うためには、店舗ごとに納税地を所轄する税務署に申請をします。「一般型消費税免税店」の場合、申請には以下の書類が必要です。

・許可を受けようとする販売場の見取図

・社内の免税販売マニュアル

・申請者の事業内容が分かるもの(会社案内、ホームページ掲載情報があればホームページアドレス)

・許可を受けようとする販売場の取扱商品(主なもの)が分かるもの(一覧表など)

 

<出典>観光庁:消費税免税店サイト「免税店になるには」

税務署では申請する事業者が国税の滞納をしていないことや、非居住者の利用が見込まれる場所にお店があること、また免税販売手続に必要な人員を配置し、手続きに必要な設備があることなどをチェックします。

「手続委託型消費税免税店」の場合は、売り場ごとに納税地を所轄する税務署長の許可が必要です。また「手続委託型消費税免税店」と「承認免税手続事業者」の間で免税販売手続きの代理契約を締結し、申請書とともに契約書の写しを税務署に提出します。(いずれの手続きについても、詳細は所轄する税務署にお問い合わせください。)

免税の手続き

免税手続きの流れ

観光庁ホームページより

免税販売をする場合、店舗ではまずお客様のパスポートを確認します。その上で販売する商品のリストとなる「購入記録票」を作成し、お客様のパスポート等へ貼付して割印します。また「購入者誓約書」を作成してお客様にサインをもらい、約7年間保管します。

包装の方法

観光庁HP掲載資料:「包装の方法に関する詳細」より

化粧品や食品などの消耗品を免税販売する場合には、日本国内での消費を防ぐために、プラスチック製の袋もしくはダンボール製等の箱でしっかりと梱包し、開封した場合には開封したことが分かるシールで封印することが義務付けられています。お客様は出国するときに税関にパスポート等に貼付された購入記録票を提出し、商品を国外に持ち出します。

<参考>観光庁:消費税免税店サイト

免税店になるメリット&デメリット

メリット

制度が改正された10月以降、免税実施率が跳ね上がっている

訪日外国人観光客の消費税免税制度手続きの実施状況

2014年10月に消費税免税制度が改正され、消耗品である「菓子類」や「その他食料品・飲料・酒・たばこ」「化粧品・香水」などが新規に免税品目に追加されました。観光庁がまとめた「訪日外国人観光客の消費税免税制度手続きの実施状況」によると、改正前の3カ月と改正後の3ヶ月で比較すると、免税実施率は倍増しています。免税を受けた物品の1人当たりの購入額も改正後に増えており、春節で購買意欲が高まる1-3月期に迫る勢いであることがわかります。

同資料によると、2014年は観光客の約1/4が消費税免税手続きを実施しており、中でも中国・香港・台湾といったアジアからの観光客が占める割合が高くなっています。また、免税手続き実施者の方が当該費目の支出が高い傾向にあることが数字にも表れています。

消費税の8%は価格に大きく影響しますから、外国人観光客が免税店を優先的に利用するのは当然ですよね。免税店になることで外国人観光客に対する強い訴求力を得られるので、来店客の増加が見込めます。また免税されるためには5,000円以上の買い物をしなければならないため、平均客単価も上がります。

デメリット

免税手続きに際しては一定額を超えないと免税にならないことや、日本国内で消費してしまうと免税対象から外れてしまうことなどを外国人観光客に説明し、正しく理解していただく必要があります。前出の消費税免税店サイトには「免税手続きの多言語説明シート」が用意されていますが、そういったものを活用したとしても日本人相手に比べると接客時間が長くなることは避けられないと思います。また免税書類の作成や商品の梱包のために、専用の設備や梱包材などを用意しなければならない点にも注意が必要です。

手間のかかる免税手続きを簡単にするツール

免税販売に際してはお客様のパスポートを確認したり、書類を作成したり…といろいろな作業が発生します。実際に免税手続きをしてみると、コミュニケーションがうまくいかなかったり記載ミスが発生したり、店舗の悩みや課題は次々と発生するモノです。

そんな問題を解決するシステムが、すでにたくさん登場しています。中でもPOSレジの入れ替えなしで導入できるシステムを4つほどご紹介します。

(1)J-Tax Freeシステム

旅行会社JTBとクレジットカード会社JCBの合弁会社である株式会社J&J事業創造は、免税手続きのための「J-Tax Freeシステム」を開発しており、2015年9月現在、百貨店やドラッグストア、旅館、土産店など全国1,200店舗以上に導入実績があります。パソコンもしくはWindowsタブレットやiPadとプリンターがあれば導入でき、申込みから最短2日で使い始められます。

パスポートリーダーはスワイプタイプとガンタイプの2種類があり、店舗の環境に応じて選べます。システムにはPOS連動版・オンライン版・オフライン版があり、POS連動版やオンライン版を使えば売上の集計や分析が簡単にできるようになるので、効果的なデータ活用が可能です。

J-Tax Freeシステム

(2)免税書類作成システム「ぴっとぱっと」

データシステム株式会社のかんたん免税書類作成システム「ぴっとぱっと」は、外国語音声アシスト機能を搭載。パスポートの情報から最適な言語を判別し、英語・中国語・韓国語で免税手続きのステップをお客様に案内してくれます。外国人対応につきものの言葉の不安がなくなるだけで、気持ちがラクになりますよね。

「一般型」だけでなく「手続委託型」店舗向けのシステムもあり、あらゆる小売業に対応する同社の統合POSシステム「パワーリップス」と連携可能な「POSレジ連動型」も用意されています。

ぴっとぱっと

(3)免税書類作成アプリ「OneMinute」

タブレット操作のみで免税書類が発行できる「OneMinute」は、レシート情報やパスポート情報をタブレットのカメラで読み取り、書類作成からレシート発行まで最短30秒とスピーディなのが魅力です。発行されたレシートにお客様からサインをもらえば手続き完了なので、お客様をお待たせすることもありません。タブレットとプリンターがあれば処理できるので、広いカウンターがなくても大丈夫。省スペースで運用できるのも嬉しいですよね。

OneMinute

(4)免税書類作成システム「あっと免税」

店舗のレジ周りを中心に決済システムやスマホアプリなどを展開している株式会社ビジコムは創業30周年のキャリアを誇る会社です。ビジコムの免税書類作成システム「あっと免税」は、WindowsパソコンもしくはAndroidタブレットで使うことができるソフトウエアで、中国人観光客に人気のモバイル決済「WeChat Pay」との連動も可能です。

ビジコムは東京や大阪、福岡などの主要都市で無料のインバウンド集客セミナーを定期的に開催しています。9月は「外国人観光客の販売強化で売上アップ」と題するセミナーが予定されています。外国人旅行客の4分の1を占める中国人に人気の「Alipay」や「WeChat Pay」についても取り上げられる模様です。まずは外国人観光客の動向についてレクチャーを受けてみるのも良いかもしれません。

あっと免税

まとめ

いかがでしたか?今後増加が見込まれている外国人観光客に選ばれるお店になるために、免税店になることは非常に有効な対策だと思います。免税手続きを簡単に行うためのシステムも数多く登場しており、外国語対応も機械が補助してくれるような仕組みづくりが可能です。2020年の東京オリンピックに向けて、今から準備を始めてみてはいかがでしょうか。