【稼ぐ力の養成講座】決算書ってどんなもの?

本屋さんに並ぶビジネスに関する本は多岐にわたります。営業成績を上げるためのノウハウや、部下のマネジメントに関する指南書など、棚の前でタイトルを眺めているだけでも楽しいものです。

さて、ビジネスや投資で成功するために、アナリストやコンサルタントが推奨することの1つに決算書の読み方を身につけることがあります。「自分は営業担当だからそんな知識は必要ない」とお考えの方もいるかもしれません。

でも決算書を読みこなすことができるようになると、数字からいろいろなことがわかるようになり、資本主義社会の仕組みも見えてくるようになります。経済活動に従事する人にはぜひ知っていただきたい決算書について、その概要をご説明します。

個人事業主の方に知ってもらいたい「決算書」とは?

決算書は、正式には財務諸表と言います。財務とは事業活動に必要なお金を集めて管理することで、財務諸表は「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つによって構成されています。これらをまとめて「財務3表」と言うこともあります。

貸借対照表とは?

「貸借対照表」は『資産』と『負債と資本』を示す表で、企業が年に一回行う決算時点での財産の状況を表します。左側に『資産』、右側に『負債と資本』が記載され、左右の数値が一致するようなスタイルで書かれるので、バランスシート(Balance Sheet:B/S)とも呼ばれます。

左側の『資産』には手元にある現金や預金、手形、工場や本社ビルなど、お金の使い道が表示されます。そして右側には自己資本金や借入金などのお金の出所が示されます。例えば新規事業のために用意した自己資本金300万円が現在預金として銀行に預けられている場合、貸借対照表は以下のようになります。

その資本金のうち200万円を使って店舗を借りた場合、貸借対照表は以下のように変化します。つまり、右側の負債・資本に記載されているのが「使えるお金」、左側の資産が「お金の使い道」です。負債・資本の合計と資産の合計は常に等しくなるのが貸借対照表の特徴です。

貸借対照表は、銀行や株主などお金を貸している人たちにとって重要な書類です。「自分たちが出資したお金が無駄に使われていないか?」「非効率な使い方をしていないか?」「貸したお金はちゃんと返ってきそうか?」などを確認しています。

もともと貸借対照表は出資者のために作成される書類です。そして投資家は貸借対照表を見ながら、調達したお金をゴルフ会員権に使っている会社と、研究開発費に使っている会社ならどちらに投資した方が儲かるか?というようなことを考えているわけです。

損益計算書とは?

「損益計算書(Profit and Loss statememt:P/L)」は、売上から必要経費を引いて、最終的にどれくらいの利益が出ているのかを示す書類です。1年間の事業の“成績表”と考えるとわかりやすいかもしれません。例えば飲食店の1カ月の売上で損益計算書を作ってみると、以下のようなイメージになります。

決算書として提出される損益計算書には、このほかに広告にかかった費用や本業以外で発生した利益や損失(銀行の利息や土地の売買など)、法人税などの項目が増えるので非常に複雑に見えます。しかし基本的には売上から経費を差し引いて、手元にどれだけの利益が残っているかを示すものです。構成としては非常にシンプルと言えるでしょう。

損益計算書は税金を計算したり、配当を決めるためのルールにしたがって計算した指標です。この1年間で利益もしくは損益がどれくらい出たのかを把握するために使います。

キャッシュフロー計算書とは?

「キャッシュフロー計算書(Statement of cash flows:CF)」は財務諸表の中でも比較的新しいものです。1987年にアメリカで導入され、日本では2000年に上場企業に義務付けられました。キャッシュフローとは「お金の流れ」という意味で、現金(キャッシュ)の出入りを示します。会社がどのようにお金を生み出して、どのように使ったかを表し、会社の実態を把握できる資料です。

キャッシュフロー計算書は、会社にどれくらいの現金があるかを把握するための書類です。「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の3つに分かれています。

営業活動によるキャッシュフロー

「営業活動によるキャッシュフロー」は、本業の活動によってお金がどのくらい出入りしたかを見るものです。飲食店なら食事を提供して得たお金や、食材費や人件費、家賃などの支払いが該当します。つまり損益計算書の内容を別の視点からまとめたものです。利益が出ている会社なら、営業キャッシュフローの数値はプラスになっているはずです。

投資活動によるキャッシュフロー

「投資活動によるキャッシュフロー」は、土地や建物、機械装置などに投資して出て行ったお金や、それらを売却して入っていたお金についてまとめられています。投資は将来の営業活動を前進させるための費用なので、成長を目指す会社はマイナスになることが多く、業績が苦しい会社は店舗を売ったりしてお金を作ろうとするので、プラスに転じることが多くなります。

財務活動によるキャッシュフロー

「財務活動によるキャッシュフロー」は、資金調達によって入ってきたお金や、返済したときに出て行ったお金についてまとめられています。主に貸借対照表の右側の部分を扱う計算書です。借入金が増えると現金が入ってくるのでプラスになりますし、借入金を返済すると現金が出ていくのでマイナスになります。

キャッシュフロー計算書が会社の真の姿を表す

個人消費者はお店でモノを買う場合、その場で代金を支払います。しかし企業同士の取引では、納品の2ヶ月後に代金を支払うといった約束での取引が頻繁に行われているのです。たとえば従業員のユニフォームを発注し、「4月1日に納品、代金は6月末日に振込み」という約束で契約した場合、ユニフォーム制作会社は、納品から2カ月間、代金の支払いを待たなければなりません。

損益計算書上では売上が経つので黒字になりますが、現金が入ってくるのは2ヶ月後です。入金までの間にユニフォームの材料費や製造にかかった人件費などの支払があれば、よそから現金を調達してくる必要があります。もし支払いができなければ倒産してしまいます。

これが黒字倒産のカラクリです。「利益=現金」ではないのです。そのためキャッシュフロー計算書で、会社が自由に動かせる現金がどれくらいあるのかを把握する必要があるのです。特に飲食店や小売店などの実店舗を運営する会社や事業主にとってはクレジットカードや電子マネーの売上金がいつ入金されるのか(売上金の入金はどの決済サービスが早いのか!)が非常に重要になってくるわけですね。

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それぞれの欠点を補う財務諸表

決算書には「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つがありました。その理由はそれぞれの計算書に欠点があるからです。

例えば「貸借対照表」の場合、お金がどのように使われているのかはわかりますが、利益の内訳がわかりません。また「損益計算書」は利益がどれくらい出ているのかはわかりますが、現金の動きがつかめません。「キャッシュフロー計算書」はお金の流れはわかりますが、資産や負債がどれくらいあるのかはわかりません。そのため財務諸表の情報を複合的に見ながら、会社全体の動きを把握することが重要となるのです。

財務分析は比較が基本

また、業種によって決算書の傾向が全く異なることも念頭に置いておく必要があります。製造業は工場や倉庫などの資産が多くなる傾向にありますが、ソフト開発の会社は大きな工場は必要ありません。代わりに人件費がかさむ傾向にあります。

財務分析を行う時は決算書を同業他社と比べたり、過去と現在を比べたりして、比較することが重要です。比較することで初めて「良い」「悪い」の判断ができるようになります。

まとめ

今回は決算書の概要についてまとめてみました。決算書は会社の状況をお金という“ものさし”で表そうとしたものです。ここで紹介した情報だけでは決算書を読み解くことは難しいですが、こういった考え方があることを知っておくことで、モノの見方も変わってくると思います。

決算書を読み解くためには、他にも知っておくべきことがたくさんあります。次回はそれぞれの財務諸表について、さらに詳しく掘り下げながら、皆さんと一緒に読み方を学んでいきたいと思います。

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