日本でのQRコード決済の普及率とこれからについて

経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、将来的なキャッシュレス決済比率の目標を世界最高水準の80%にすることを宣言しました。先進的な技術を保有しながらもキャッシュレス化が進まない日本では、キャッシュレスに対応していない店舗が非常に多いのが現状です。

店舗が現金以外の支払方法に対応しない理由の1つに高額な機器の購入があります。近頃注目を集めるQRコード決済は比較的安価に購入できるモバイル端末を利用できることから、店舗の導入ハードルを下げられると期待されています。すでに日本国内でも、さまざまなQR決済サービスが登場しています。先日ヤフーは「Yahoo!ウォレット」にQRコード決済機能が追加し、新サービスのリリース予定も発表しています。

そんなQRコード決済は現在、日本でどのくらい普及が進んでいるのでしょうか?今回はQRコード決済の日本での普及率について調べてみました。

日本の電子マネー携帯の利用状況

おサイフケータイ等による支払いは6%程度に留まる

第68回「生活意識に関するアンケート調査」:携帯電話・スマートフォンを読み取り機にタッチして支払い をする機能の利用状況より

日本では2004年におサイフケータイが登場し、2016年秋には日本でもApple Pay(アップルペイ)が使えるようになりました。いわゆる電子マネー機能の付いたモバイル端末は決済の場面でどれくらい使われているのでしょうか。

2017年1月に日本銀行が発表した第68回「生活意識に関するアンケート調査」によると、おサイフケータイやApple Pay(アップルペイ)による非接触ICを用いたモバイル決済(スマホをSuicaのようにかざして支払う方式)を「利用している」と答えた日本人は全体の6%、「機能はあるが利用していない」と答えた人は全体の42%という結果でした。

<参考>
日本銀行:第68回 生活意識に関するアンケート調査

QR決済の知名度、満足度はどうなっている?

2018年8月、有限責任監査法人トーマツは10~50代のスマートフォン保有者かつスマートフォンアプリ利用経験者2,000名を対象とした「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査」を発表しています。そのデータによると、QRコード決済について「知っている」と回答したのは全体の4割に留まり、「実際に利用したことがある」と回答したのは全体の9.1%(182名)でした。国内では、QRコード決済の知名度がまだまだ低く、利用者も少ない現状がうかがえます。

一方、QRコード決済の利用経験者に対して行われた利用状況に関する調査では、QRコード決済を月に1回以上利用すると回答した人は利用経験者の52.7%にのぼっています。このことから、日本での知名度はあまり高くないものの、QRコード決済ユーザーからは高い満足度を得ているようです。

これからQR決済は普及する?

トーマツはQRコード決済の利用経験があり「満足している」と答えた人を対象に、QRコード決済の魅力についても聞いています。最も多かった回答は「現金・カードを持ち歩かなくてもスマホだけで支払いできる」が36.6%、次いで現金に比べてスピーディ」「支払うたびにポイントがたまってお得」という回答がともに32.9%を締めており、利便性やお得感にメリットを感じているようです。これからQRコード決済の認知度が上がっていけば、決済手段として利用する人が増えていくかもしれません。

<参考>
有限責任監査法人トーマツ:「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査」の発表

東京オリンピックの後もキャッシュレス化の波は続く

日本に訪れる外国人観光客にとっては、キャッシュレス決済がメジャーです。欧米や韓国はクレジットカードやデビットカード、中国ではスマホを用いたQRコード決済の利用者が非常に多いです。政府は外国人旅行者が日本旅行に抱いている「現金以外の支払方法が使えないこと」という不満を解消するため、2020年までに「外国人が訪れる主要商業施設や宿泊施設、観光スポットで決済端末のIC対応を100%実現する」ことを目標に設定しています。

また、クレジットカードやQRコード決済を利用すると現金の動きが必ず記録されることから、不正や犯罪の防止効果やビッグデータの商用利用などに期待されている側面もあります。キャッシュレス化によってめざましい発展を遂げている国々も増えていることから、有識者を中心にキャッシュレス社会への移行が必要と考える人は増えているようです。

まとめ

政府は東京オリンピックだけでなく、2025年の大阪・関西万博も見据えて、さらなるキャッシュレス決済の普及を推し進める方針を明らかにしています。QRコード決済はクレジットカードや電子マネーに比べると店舗への導入コストが比較的安価に抑えられるため、キャッシュレス化の足掛かりとして各方面から期待されています。

LINEやヤフーは店舗に課せられる決済手数料を当面の間無料にするとしており、QRコード決済の普及を後押ししていく考えのようです。より利便性の高い決済手段が広まることは、消費者としても嬉しいものです。今後の動きからも目が離せませんね。

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