海外での事例から推し量る日本の個人間送金サービスの伸びしろ

今、日本では個人同士で送金できるアプリがどんどん誕生しています。キャッシュレスで送金ができるのはとても便利ですよね。そんな個人間送金サービスは国内だけではなく、むしろ海外では当然のように利用されています。今回はそんな海外の事例を見ながら、日本の個人間送金の未来を予測したいと思います。

海外の個人間送金サービス

アメリカの個人間送金アプリで有名なのは「Venmo」ではないでしょうか。銀行口座とSMS(ショートメール)を受け取るための携帯電話番号があればアプリで送金できるサービスです。「Venmo me later(後でVenmoで送ってね)」という挨拶になっているほどメジャーです。

このサービスはクレジットカードを使う場合に3%の手数料がかかりますが、銀行口座やデビットカードを使えば無料です。アメリカには他にも「Zelle」や、iPhoneの機能の1つである「Apple Pay Cash」などがあります。

ヨーロッパではキャッシュレス大国スウェーデンの「Swish」が有名です。携帯電話番号に紐づけられた銀行口座へ、スマートフォンで瞬時に振込できます。スペインの「verse」、フランスの「Lydia」、ドイツの「Cookies」など、ヨーロッパでも様々な個人間送金アプリが登場しています。

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新興国でも送金サービスが人気

こういった個人間送金は、フィンテックが進んでいる先進国だけのサービスに思えるかもしれません。しかし、新興国でも独自の送金サービスが発展している国があります。

その一例がケニアです。ケニアでは農村部から都市部へ出稼ぎに来ている人が多く、家族への仕送りなどを目的とした送金の需要が以前からありました。しかし銀行口座があまり浸透していないため、現金を郵送するか、バスなどで農村部に向かう知人や友人に託していたようです。

でも郵送では紛失の恐れがありますし、手渡しでは盗まれるリスクもあり、安全面に問題がありました。一方で、ケニアは携帯電話の普及率が高く、2015年6月時点で人口の約84%の人が持っているという実態があります。

そこで登場したのが、サファリコムという会社が提供する「M-pesa」です。このサービスはフィーチャーフォンでも個人間送金ができます。ユーザーは「M-pesa」のアカウントを開設した後、サファリコムの窓口や9万店を超える代理店で自分のアカウントに現金を預けます。送金先と送金額の指定にはSMSを利用し、送金先には暗証番号を知らせます。受け取る側は窓口で暗証番号を提示することで現金を受け取れます。インターネットではなく携帯電話回線で送信されるのがユニークなところです。

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日本の個人間送金サービスを阻むもの

さて、日本には「paymo」や「Kyash」「LINE Pay」「Yahoo!ウォレット」などのサービスがあります。これらの個人間送金はどんな様子なのでしょうか?

日本では2010年4月1日に「資金決済法」という法律が施行され、「資金移動業者」として認められれば銀行以外でも送金が可能になりました。「資金移動業者」として送金サービスを行うためには本人確認が必要です。この法律に合致する形で運営されているのが「LINE Pay」や「Yahoo!ウォレット」です。

「paymo」と「Kyash」は本人確認なしで送金できるようにするために「資金移動業者」をやめました。「paymo」はあくまでも支払代行を行う「収納代行業者」としてサービスを行っています。これはコンビニで公共料金が支払える仕組みと同じです。ただしレシートが必ず必要となる条件が付きまといます。

「Kyash」の場合は、プレゼントという形をとった「前払式支払手段発行業者」となりました。簡単にいえばプリペイド方式です。そのため「Kyash」では、現金による出金ができないというデメリットが生じています。

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まとめ

海外と日本の個人間送金を比較してみると、日本の「資金決済法」が個人間送金サービスの成長の妨げとなっているように感じます。また日本がキャッシュレス化の流れに二の足を踏んでいる原因の1つに、根強い現金信仰があることも確かです。

ここはぜひとも国を挙げて個人間送金サービスを後押ししてほしいものです。そうすれば、日本のキャッシュレス化も進んでいくに違いありません。