人工知能が経営のアドバイスをする士業マッチングサービス「SHARES」

SHARESのロゴ

新しく店を出すためにはいろいろな手続きが必要です。例えば飲食店なら保健所の許可が必要ですし、外国人を雇うためには在留資格の確認などをきちんと行わないと、トラブルに発展しかねません。

そういった場合には、弁護士や行政書士といった専門家の力を借りるのが一般的だと思いますが、いざという時に依頼できる士業の知り合いがいなかったり、今まさに困っている課題を誰に相談したらいいのかわからない…なんていうことは、往々にして あるのではないでしょうか。そこで今回は、そんな皆さんを力強くサポートしてくれる「SHARES(シェアーズ)」というサービスをご紹介します。

「SHARES」とは

株式会社ココペリインキュベートが運営する「SHARES(シェアーズ)」は、中小企業向けに弁護士をはじめとする8士業の専門家をWeb上でマッチングさせるクラウド経営支援ツールです。契約書の作成や補助金の申請、資金調達、債権回収など多岐にわたる相談内容についてサイト上から問合せると、平均30分で見積りが届き、依頼できる専門家を見つけることができます。

発注時にのみ料金が発生する仕組みなので、初期費用や月額顧問料はありません。すべてネット上で完結させることができ、例えば確定申告は5万円程度から依頼することができます。また「SHARES」では人工知能(AI)を使った「SHARES AI(シェアーズアイ)」による経営分析サービスを受けることができます。

「SHARES AI」にできること

「SHARES」に無料登録を済ませて会計データをアップロードすると、5,000社を超える財務データおよび12万社の業界平均に基づいて人工知能が“経営分析”を行います。分析結果として、源泉徴収の支払い時期や確定申告の期限といった未来に発生する「定期イベント」の通知や、融資申込みの最適な時期のアドバイス、経営課題の発見などを発見して「提案イベント」という形で自動的に通知してくれます。

これらの通知を参考に課題を発見し、必要に応じて具体的な手続きをSHARESの専門家へ依頼できる点は非常に画期的です。SHARESでは月額顧問料のような費用は発生しませんし、通知された提案イベントに対するユーザーの評価によってSHARES AIが学習するので、精度も自然と上がっていきます。

中小企業に融資しやすくする「SHARESφ」

SHARESφのホームページより

中小企業が頭を悩ませている大きな課題は、やはり資金調達です。銀行が行っている従来型の与信審査は年に1回まとめられる決算書に基づいており、財務状況の変化が大きい中小企業の企業実態を正確に評価することが難しいと言います。そのため中小企業の資金ニーズに十分な対応できないのです。

「SHARESφ(シェアーズファイ)」は、人工知能(AI)による金融機関向けの融資スコアリングサービスです。「SHARES」に登録された月次の会計データを活用することで、リアルタイムに近い業績情報を企業評価に反映することが可能になります。また預金口座の動きから融資を必要とする企業を予測し、銀行が主体的に融資営業を実施することもできるようになります。

これまで銀行に出向いて融資を依頼していた経営者は、会計データの管理さえしっかりしておけば銀行から融資の申し出を受けられるようになり、資金繰りのために走り回る必要もなくなることが考えられます。これは双方にとってメリットがある仕組みと言えるでしょう。

開発には横浜銀行や東京大学が参加

コンソーシアムの参加団体

「SHARESφ(シェアーズファイ)」の実現のため、2016年6月には横浜銀行や東京大学などとともに「トランザクションレンディングの実現に向けた産学連携によるコンソーシアム」を結成し、産学連携で臨んでいます。

“トランザクションレンディング”とは、銀行口座やクレジットカードの取引情報、商品の仕入れ・販売状況、会計・決算情報などを用いて審査し、融資するサービスのことです。決算書以外のさまざまなデータとビックデータを活用した審査をAIが行うことで、倒産確率の低い企業にスピーディな融資ができるようになります。

革新ビジネスアワード2016 特別賞を受賞

ココペリインキュベートは、フジサンケイビジネスアイの革新ビジネスアワード2016の特別賞を受賞しています。提携する士業や銀行に費用を負担してもらい、「SHARES」を利用する中小企業からは手数料を取らないビジネスモデルであることも、非常に興味深い点です。あくまでも主役は企業と位置づけているからこそ生まれた仕組みなのだと思います。

まとめ

帝国データバンクのホームページによると、過去10年に創業した企業は約18万社、そして過去10年に廃業した企業は約11万社だそうです。企業が廃業に追い込まれる原因は収益の有無、つまり赤字か黒字かではありません。“黒字倒産”という言葉があるように、十分な利益が出ていても支払いが滞れば倒産してしまいます。つまり上手にお金を循環させられるかどうかがポイントなのです。

今後、「SHARES」のようなサービスが一般化すればするほど、会計データの管理が重要になることは間違いありません。店舗であればPOSデータや会計ソフト、法人クレジットカードなどを活用し、正確な会計データを作ってきっちりと管理することが、長きにわたって生き残っていくための秘訣となるのではないでしょうか。

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