SuicaやPASMOだけじゃない!地域で違いがある交通系電子マネー10種

全国各地で販売されている交通系ICカードは、関東ならSuica(スイカ)とPASMO(パスモ)、関西ならICOCA(イコカ)やPiTaPa(ピタパ)など、全部で17種類あります。もともと各カードが利用できるエリアは限られていましたが、主要なカード10種類については2013年3月から相互利用が可能になり、ますます便利になっています。

交通系ICカードはSONYが開発したFelica(フェリカ)という非接触ICチップを利用しており、一見「どれも同じじゃないの?」と思いがちです。でもそれぞれのカードには特色があります。今回は相互利用が可能な10種類を比較して、その違いを見ていきたいと思います。

交通系ICカードとは

交通系ICカードは、電車やバスの乗車券として利用できる電子マネーカードです。その多くがプリペイド型を採用しており、あらかじめカードに現金をチャージしておけばわざわざ目的地までの切符を買い求める必要はありません。多くのカードがデポジット代として500円程度を徴収しており、不要になったカードを駅の窓口などに持って行くとデポジット代が返金されます。

乗降時に自動改札でカードをかざすと乗車区間の料金が自動的に引き落とされます。また自動販売機やコンビニなどでは、nanaco(ナナコ)やWAON(ワオン)と同じように電子マネーとして買い物の支払いに使うこともできます。

交通系ICカードが登場したのは2001年、JR東日本のSuicaが最初でした。従来のプリペイドカードと違って改札機に通す必要がなく、パスケースに入れたままでも読み取りが可能で、現金をチャージすれば繰り返し使える点など、当時としては画期的な機能に注目が集まりました。Suicaに続いて関東の私鉄各社がPASMOを発行すると、全国各地で次々と交通系ICカードが登場。2013年3月には主要な10種類のカードが管轄エリア外でも乗車券として使えるようになりました。

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Suica(スイカ)

交通系電子マネーの先駆者的存在のSuicaは、標準的な乗車券としての機能だけでなく、定期券やグリーン券として使うこともできます。ただし定期券として利用する場合は、乗降駅のどちらかがJR東日本の駅でないといけません。

クレジットカードと紐づければ、改札を通るときに一定の残高を下回ると自動で指定金額がチャージされるオートチャージ機能なども利用可能です。クレジットカードやポイントカード、さらには学生証や社員証にSuica機能を追加するサービスも登場しています。

10年ほど前からは、おサイフケータイをカード代わりに使えるようになっています。スマホのモバイルSuicaアプリでカードを取り込めば、アプリから残高をチャージすることも可能です。ちなみに2018年7月現在、スマホでカードを代用できる交通系電子マネーはSuicaだけです。

Suicaを利用するとポイントが貯まるSuicaポイントは、2017年12月からJR東日本の共通ポイント制度「JRE POINT」に移行されました。JRE POINTはJR東日本のクレジットブランドであるビューカードの利用や駅ビルでの買い物でも付与されるので、いままでよりもポイントが貯まりやすくなっています。

PASMO(パスモ)

PASMOは、首都圏の鉄道やバス事業者が主要株主の株式会社パスモが発行する交通系電子マネーです。私鉄各線の駅やバスの営業所などで購入でき、電車やバスの定期券としても利用可能です。カードに名前を明記する記名PASMOなら、クレジットカードを紐づけてオートチャージ機能を追加することができます。

PASMOは各交通事業者が沿線の利用者をターゲットにした独自の優遇制度を設けていることが多いです。例えば東京メトロではPASMOで乗車するとポイントが付与されるメトロポイントクラブの会員を募集していたり、東急バスでは1ヶ月間のバス利用額に応じてバス運賃の支払いに充当できる特典バスチケットサービスなどを展開しています。小田急や京急など系列に百貨店がある事業者はPASMOを搭載したクレジットカードも発行しているケースが目立ちます。

Kitaca(キタカ)

JR北海道が発行するKitacaは、乗車券や店舗での支払利用できる電子マネー機能が中心です。クレジットカード一体型Kitacaも数多く発行されており、JRタワースクエアカード、イオンカードKitaca、clover Kitacaなどから選べます。イオンカードKitacaは200円をチャージするごとに1ポイント獲得できるので、ちょっとお得に使いたい人にオススメです。

TOICA(トイカ)

JR東海が発行するTOICAはシンプルな電子マネーカードです。オートチャージ機能やポイント還元といった制度やクレジットカード一体型のToicaはありません。ただし、JR東海のクレジットブランド「エクスプレスカード」会員向けに発行されるTOICA一体型のEX-ICカードなら、東海道・山陽新幹線の予約ができ、新幹線のIC乗車券として利用できます。新幹線で移動することが多い方にはTOICA一体型EX-ICカードが便利です。

manaca(マナカ)

名古屋を中心とした愛知近郊をエリアとするmanacaは、株式会社名古屋交通開発機構と株式会社エムアイシーが発行する交通系電子マネーです。manacaエリアの電車やバスの利用実績(毎月1日~末日)に応じて「マナカマイレージポイント」が貯まります。交通事業者によってポイント付与率などは異なりますが、1ポイント=1円として運賃に充てることができます。

名鉄が発行しているミューズカードと記名式manacaをジョイント登録すると、ミューズカードの利用で貯まったミュースターポイントでmanacaにチャージすることができます。また、名鉄の主要駅や商業施設に設置されているμstar station(ミュースターステーション)では、ミューズカードからのクレジット決済でmanacaにチャージが可能です。

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ICOCA(イコカ)

JR西日本のICOCAには、交通系電子マネーとしての標準的な機能を備えた通常のカードに加え、手持ちのクレジットカードを決済用カードとして登録できるSMART ICOCA(スマートイコカ)があります。駅などに設置されている専用のクイックチャージ機を使えば、SMART ICOCAに紐づけられているクレジットカードからのチャージが可能です。

SMART ICOCAは通常のICOCAと異なり、毎月の列車利用額やショッピングの利用額に応じて200円につき1ポイントのJ-WESTポイントがゲットできるのでお得です。ちなみにJ-WESTポイントはJR西日本が発行するクレジットカード「J-WESTカード」のポイントプログラムなので、SMART ICOCAに登録するクレジットカードをJ-WESTカードにすれば、ポイントの二重取りも可能です。

PiTaPa(ピタパ)

株式会社スルッとKANSAIが発行するPiTaPaは、他の交通系電子マネーと異なり、後払い(ポストペイ)方式を採用しているICカードです。原則としてクレジットカードとの連携が必要で、申し込みには審査があります。本会員は高校生を除く満18歳以上が対象となっており、未成年者がPiTaPaに申込むためには親権者の同意が必要です。PiTaPaには本会員と生計を共にする家族向けの家族会員があるので、保護者の監督のもとで小中学生などにPiTaPaを持たせることが可能です。

PiTaPaはIC乗車券として全国で相互利用が可能です。しかし電子マネーとしてはPiTaPa加盟店でしか使えません。関東のコンビニで電子マネーとして使うことはできないので注意しましょう。ちなみにPiTaPaで買い物をすると「ショップdeポイント」というポイントがたまります。

SUGOCA(スゴカ)

JR九州が発行するSUGOCAはクレジットカードと連携させてオートチャージ機能を利用できるほか、2018年3月からは専用アプリでカード残高や利用履歴が確認できるようになりました。クレジット一体型SUGOCAも登場しています。

SUGOCAで電車に乗ったり買い物をすると、JR九州の共通ポイントプログラム「JRキューポ」のポイントが貯まります。JRキューポはJR九州のクレジットカードJQCARDやインターネットからの列車予約でも貯めることができ、1ポイント1円としてSUGOCAにチャージしたりギフト券やお食事券に交換することができます。

nimoca(ニモカ)

nimocaは西日本鉄道の子会社である株式会社ニモカが発行している交通系ICカードです。オートチャージはクレジットカード一体型nimocaで利用できます。またICOCAと同じくクイックチャージ機能もあります。

nimocaにもポイント制度があり、電車やバスに乗れば乗るほどポイント還元率が高くなります。オートチャージでもポイントが獲得できるほか、nimocaでの買い物はもちろん、会計時にnimocaを提示すれば現金やクレジットカード払いでもポイントが付与されます。

はやかけん

福岡市交通局の はやかけん は比較的シンプルな交通系ICカードです。オートチャージ機能がなく、クレジットカード一体型は ANAはやかけん の1種類が発行可能です。はやかけん には福岡市地下鉄を利用すると月間利用金額の2%が乗車ポイントとして還元される制度があり、貯まったポイントは駅の券売機や精算機で はやかけん にチャージできます。

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まとめ

交通系ICカードに採用されているFelica(フェリカ)は、情報の読み取りにかかる時間が非常に短く、通勤ラッシュの混雑緩和にも一役買っています。ICチップに保存できるデータ容量が多いので、最近ではコインロッカーの鍵にしたり、保育園の登園記録や社員の出退勤管理、さらには塾通いの小学生の見守りサービスなどにも活用されています。電車やバスを利用するなら1枚あるだけでとっても便利な交通系ICカード。それぞれの特色をよく理解し、賢くお得に使いたいものですね。