磁気カードからICカードへ。どうしても移行させなければならない理由

ピピッとチョイス編集部です。2016年12月に改正割賦販売法が可決・成立し、クレジットカード加盟店は決済端末のIC対応化が必要になりました。そこで今回は磁気カードとICカードの違いと、IC対応化が必要な理由について考えます。

磁気カードとは

磁気カード(磁気ストライプカード)は、裏面に黒い帯があるカードです。この帯にデータを格納できるようになっていて、専用の機械に通すと情報を読み取ることができます。日本国内では、預金通帳の表面にも磁気ストライプが貼ってあり、記帳処理などに用いられています。

磁気カードは、データを読み取る端末も含めてコストが安く、世界各国で利用されています。ただし、磁気ストライプは磁気が弱まると使えなくなる欠点があります。また水をつけると磁気が弱くなるといった性質もあります。

磁気ストライプの情報は簡単に入手することができるため、スキミング(カード情報を抜き取り、同じ情報を持つカードを複製して悪用する犯罪手口)の被害が多いことが大きな問題となっています。

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ICカードとは

ICカードは、データの記録や演算をするために集積回路 (IC) を組み込んだカードのことで、扱える情報量が非常に多いのが特徴です。国際的にはスマートカード (smart card) やチップカード (chip card) とも呼ばれています。なおICカードには接触型と非接触型があります。

ICカードはデータを暗号化して保存するため、内部データを読み出されたり改ざんされたりするリスクが極めて少なく、磁気カードに比べると偽造が困難とされています。世界的にもクレジットカードやキャッシュカードをICカードに切り替える動きが加速しており、イギリス、フランス、デンマーク等では既に100%近いICカード化率が実現されています。

接触型

接触型はカードと読み取り機の端子を直接接触させて通信を行います。カード表面にICチップが露出しており、確実な通信が行うことができます。そのため高いセキュリティが求められる決済や認証に採用されています。

金融向けにはEMVと呼ばれるデビットカード・クレジットカードの標準仕様があります。これは、ユーロペイ、MasterCard、VISAの間で合意したICカードの統一規格で、3社の頭文字を取って名付けられました。日本クレジットカード協会(JCCA)や全国銀行協会(全銀協)が策定したICカードの仕様は、EMV仕様に基づいて策定されていますが、日本ではICクレジットカードの読み取り端末の普及が遅れており、現在は磁気とIC双方を搭載したカードが主流です。

非接触型

Suicaは非接触型です

非接触型にはカード内部にアンテナの役目を果たすコイルが内蔵されており、読み取り端末発生している磁界にカードをかざすと、無線通信でデータのやりとりができます。この技術はNFC(Near Field Communication)と呼ばれています。

非接触型ICカードは読み取り端末の通信距離や通信方式によって分類されます。日本ではSuicaやPASMOなどの電子マネーに、ソニーが開発した「FeliCa」が広く採用されています。一方、世界的には「Type A」「Type B」という通信方式が多く採用されています。

2014年に登場したiPhone6にはApple Payが初めて搭載されましたが、これは世界標準の「Type A」「Type B」にしか対応しておらず、読み取り機の普及していない日本では利用することができませんでした。そのためFeliCaに対応したiPhone7の登場は、世間を大いに沸かせました。

「ハイブリッドカード」と「デュアルインターフェイスカード」

ゆうちょのSuica機能つきキャッシュカード

ゆうちょ銀行が発行するSuica付きICキャッシュカードや、定期券とクレジットカード機能の付いたSuicaなど、接触と非接触の両方の機能を兼ね備えたICカードも登場しています。1枚のカード上に接触型と非接触型の2つのICチップを搭載しているハイブリッドカードや、1つのチップに接触・非接触両方のインターフェイス機能が備わっているデュアルインターフェイスカードなど、方式もさまざまです。

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磁気カードからICカードに移行しなければならない理由

ICカードはデータを暗号化でき、スキミングや偽造が困難です。磁気カードよりもICカードの方がセキュリティ面に優れていることから、ICカードへの移行は世界的な流れとなっています。こういった流れができた背景には、カードの不正使用などによる被害が非常に多いことがあります。

キャッシュカードの盗難や不正使用などによる被害状況

キャッシュカードの被害発生状況

キャッシュカードの盗難などによる不正使用の被害は、金融機関による1日の引き出し限度額の引き下げや、ICカードへの切替えなどに一定の効果が認められ、減少傾向にあります。しかしネットバンキングの被害は増加しており、定期的に暗証番号を変更するなど、利用者の防犯意識向上が必要不可欠な状況です。

クレジットカード情報の盗難や不正使用などによる被害状況

日本クレジット協会が公表している統計によると、クレジットカードの不正使用被害額は平成12年をピークに減少傾向にありましたが、平成25年以降は再び増加に転じ、平成26年は113億9千万円となっています。

不正利用の手口はクレジットカードの紛失・盗難やスキミング、個人情報の流出などがあります。また近年の傾向としては、セキュリティ策脆弱な EC 加盟店(ネット通販ショップ) からの 情報漏えい増加 が顕著 となっています。特に漏えいしたカード情報の EC 加盟店における不正使用の伸びが顕著となっており、全体の 6 割近くを占めています。

対面取引においては、偽造されたクレジットカードによる不正使用が多く、日本国内の加盟店で使われた偽造カードの発行国は、アメリカに次いで日本が2位となっています。

これらの犯罪は国境を越えて発生しており、世界各国においてセキュリティ対策が進められています。そんな中で日本の対策が遅れを取れば、日本がクレジットカード不正使用の温床になりかねないという現状があります。

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まとめ

以上のことから、カード情報の保護や不正使用対策として、カードのIC対応は喫緊の課題となっており、経済産業省は現在70%ほどのIC対応端末の普及率を2020年までに100%まで引き上げる方針です。またカード情報を扱う企業のセキュリティ強化も必要としており、カード情報を保持する加盟店にはPCI DSS(国際クレジットカードブランド5社が共同で策定した、クレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準)への準拠を求める、としています。

並行して利用者も暗証番号を定期的に変更したり、パスワードをセキュリティ効果の高いものに設定するなど防犯意識を高めていかなければなりません。安心してカードを使える世の中にするためには、社会全体で不正防止の取り組みを進める必要があるのです。

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