店舗がキャッシュレス決済の導入を踏みとどまる理由

日本では20年以上前に非接触ICチップFelica(フェリカ)がソニーによって開発され、Suica等の交通系電子マネーが広く使われています。2004年には携帯電話に電子マネー機能がついたおサイフケータイも登場し、早い段階から先進的な技術が取り入れられています。

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日銀による調査

モバイル決済の利用状況

日本において店頭でモバイル決済を利用している人の割合は2016年で6.0%だった。

2017年6月に発表された日銀の調査結果によると、電子マネー機能つき携帯による支払方法を「利用している」と答えた人は、調査対象全体に対してわずか6%でした。「機能はあるが使っていない」と回答した人は全体の42%を占めており、日本では電子マネー携帯の保有数に対して利用者が非常に少ない現状がわかります。

モバイル決済ユーザーの地域別比率

モバイル決済を店頭で利用している人は東京や関東が多い

電子マネー携帯を利用している人の割合は関東が最も多く、特に東京都は突出しています。日銀はこの理由として、「そもそも電子マネーの地域別の保有率は関東地方の保有率が高いこと」と「都市部においては店頭モバイル決済が利用可能な店舗等も多いこと」を挙げています。

所有する携帯電話に電子マネー機能があっても、「使えるお店が少ないから利用しない」という人が一定数いることが推測されます。そのため、特に地方でモバイル決済に対応できる店舗を増やしていくことが必要と考えられます。

<参考>
日本銀行:モバイル決済の現状と課題

店舗が現金以外を受け付けたくない理由

日本ではクレジットカードやデビットカード、電子マネー、おサイフケータイといったさまざまな支払方法が利用できます。しかし小規模店舗では現金以外の支払方法が使えないケースが多いです。クレジットカードや電子マネーを利用したキャッシュレス決済を導入すれば、釣り銭の間違いを減らせたり、現金を安全に保管するためのコストが削減できたり、得られるメリットがたくさんあるのに、対応に消極的な店舗が多いのは何故なのでしょうか?

初期費用が高い

クレジットカードや電子マネーの利用環境を整えるためには、各種カードリーダーが必要です。従来はクレジットカードと電子マネーそれぞれに決済端末を用意する必要があり、購入する場合には多額の費用が必要でした。現在はクレジットカードと電子マネーに1台で対応できるマルチ決済端末を採用する決済サービスが増えています。端末の購入は2万円前後で済みますが、特に規模の小さい店舗にとってはやはり負担であることに変わりはありません。

決済手数料が高い

クレジットカードや電子マネーを利用する際には、各種サービスの加盟店になり、決済額に応じて3~5%程度の決済手数料が発生します。お客様がキャッシュレス決済を選択した場合、売上から決済手数料が差し引かれることになるので、現金に比べると利益が目減りしてしまいます。

ランニングコストも気になる

キャッシュレス化するためには専用端末のほかに通信環境が必要です。またカードリーダーをレンタルしたり、決済システムの使用料が発生する場合には、決済手数料以外にも毎月費用が発生します。これらは決済額の大小にかかわらず発生するので、ネックになりがちです。

現金が手元に残らない

キャッシュレス化すると、代金は一時的に決済サービス業者が預かる形になり、店舗に入金されるのは商品の販売から2週間後や1カ月後になることが多いです。入金されるまでの期間は自由に使えるお金が手元にないため、急な出費などによる黒字倒産のリスクが高まります。

<関連記事>
キャッシュレス化のメリット&デメリット≪店舗編≫

QRコード決済に期待が高まる

2018年6月28日、LINEは「LINE Pay」の店舗用アプリをリリースし、アプリによるQRコード決済について、2021年7月までの3年間、店舗に課せられる手数料を無料にすると発表しました。また国はキャッシュレス決済の普及に向けて、QRコードの標準化や関連端末の導入費用補助のため、新たに30億円を充てる方針のようです。

ヤフーとソフトバンクは新たにPayPay(ペイペイ)という決済サービスを2018年秋からスタートさせる予定を発表しており、LINE同様決済手数料を3年間無料にするとしています。

<参考>
日本経済新聞:新・革新機構に1600億円 経産省、概算要求に増資方針 成長分野を手厚く支援 (2018/8/29)

なぜQRコード決済が期待されるのか

2010年のスマホ保有者の割合は9.7%だが、2016年には71.8%に急増している。

総務省の統計によると、2010年以降スマホを所有する人の割合は急激に増加しており、2016年時点で70%を超える結果となっています。携帯電話(ガラケー)に比べるとスマホは機能性が高く、常に持ち歩いて使われることから、スマホを活用した新しいサービスが続々と登場しています。

QRコードを利用したアプリ決済は、タブレットやスマホといった汎用性の高いモバイル端末を店舗に導入するだけで利用可能です。会計ソフトやレジアプリをモバイル端末にダウンロードすれば、決済以外の業務にも活用できます。また商品データをQRコードに変換して印字し、お客様のアプリで読み取ってもらえば、全ての機器の操作をお客様ご自身に行っていただくことも可能です。

導入費用が比較的安価に抑えられ、使い方によっては無人店舗でも運用可能なQRコード決済は、人手不足の解消や遅々として進まないキャッシュレス社会への移行の起爆剤として高い関心を集めています。LINEやヤフーが決済手数料の無料を決めたことが、QRコード決済の普及を促進させることも期待されます。

<参考>
総務省:情報通信白書平成29年版(数字で見たスマホの爆発的普及)

これからの課題

クレジットカードも電子マネーもブランドが乱立したことで利用者が分散化しています。QRコード決済も既に乱立傾向にあり、その規格もバラバラです。政府はQRコード決済の規格統一に乗り出し、2018年8月には200ほどの企業・団体が参加する会合が開かれましたが、今後の見通しは立っていません。

QRコード決済による支払いは、アプリの起動させたり暗証番号の入力が必要だったりします。端末にかざすだけの電子マネー携帯に比べると、操作の工程がやや多めです。不安定な通信環境下だったり、アプリの操作に不慣れな人が会計する場合には、今まで以上の時間を要する可能性があります。

アプリの操作をめんどくさいと感じたり、現金に比べると不便に感じる人が多ければ、やはりキャッシュレス化は困難でしょう。インドのように高額紙幣を廃止して現金の使い勝手を悪くしたり、エストニアのように個人IDと連携させるなど、利便性向上のためには抜本的な改革も必要かもしれません。

<参考>
日本経済新聞:キャッシュレスNOW(1) 「現金?使いにくいよ」(2018/8/28)

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